2004年4月13日午前1時35分ごろ、愛媛県長浜町(現・大洲市)沖浦の会社員・鎌田美千子さん(当時52歳)方から出火、木造2階建て約150平方メートルが全焼し、2階寝室の焼け跡から鎌田さんの遺体が見つかった。死因は焼死だった。現場の状況などから警察は放火殺人事件と断定し、捜査を開始した。

鎌田さんは出火の約30分前、同じ町内に住む長女に「1階にヒトのいる気配がする」と電話で伝えた。長女が110番したのとほぼ同時に鎌田さん自らも110番通報。「煙が上がってきた。早くパトカーを来させて」などと訴えていたが、10分ほどで通話が途絶えたという。

鎌田さんは1人暮らし。最近、「変な人に付きまとわれ、困っている」と家族に相談していたという。1階には灯油がまかれた跡があり、玄関に灯油タンクが残されていたことから、目撃された男が灯油を撒き火をつけて鎌田さんを殺害したものと思われる。

事件当時、近所では侵入盗が多発しており、鎌田さん宅1階にも物色されたような形跡がみられたことから、警察は関連性を調査していたが、手口の違いから関連性が薄いと判断されている。鎌田さんの周辺を調べたが、人間関係のトラブルは確認されていない。



犯人による一方的な怨恨の末のさつじん事件。


犯人はとても若い男性。普段は穏やかだが、怒ると手がつけられなかった。


鎌田さんが良かれと思ってした行動が、犯人にとってはとても不快なものだった。


そのことを根に持ち、ふつふつと怒りを募らせ殺意を持ってしまった。


鎌田さんの家や行動を調べ、その時を待った。


犯行は計画的なもので、逃走するための車を停める位置や時間など、綿密に計算されていた。


鎌田さんは犯人のことを覚えていなかったため、面識はあっても1、2度程度。


そのため容疑にもかからず、犯人は今も平穏に暮らしている。