2009年(平成21年)11月16日(月)1時20分頃、大阪市大正区の木津川千本松渡船場を訪れていた釣り人が川の中に女性の水死体を発見する。

女性は13日(金)の深夜から行方が分からなくなっていた西成区「くろかわ診療所」に勤務する内科医・矢島祥子(さちこ)さん(34)と判明する。

失踪当夜の矢島さんについて、13日22時ごろに一人で残業していた姿を黒川所長と看護師が最後に目撃している。その後、23時過ぎに診療所を出たとみられるカードキーの使用履歴があった。

しかしそれから20分後に防犯システムを解除して再び入室した記録もあった。14日(土)4時18分頃、診療所の警報システムが作動。一般的な誤作動であれば利用者からすぐに警備会社に警報の解除を行うように連絡するはずだがそれもなく、30分後に警備会社が駆け付けた。だが所内は無人状態で、室内に荒らされたような形跡もなかったことから「異常なし」と報告された。

司法解剖によれば、推定死亡日時は14日未明とされ、死因は溺死」と推認された。西成署は、矢島さんが連日遅くまで働いていたことや周囲から自殺だとする声が挙がったことなどから過労による自殺の可能性が高いと判断し、ほどなく捜査は打ち切られた。

遺族は、「自殺」を基調とした警察側の見解、捜査に消極的とも取れる「粗末な説明」に不信感を抱いた。ともに医師であった両親は、遺体状況や検案書の見方について自殺と判断するには不自然だと指摘した。遺族側は群馬大学の協力を得て、(検視局で保管されている臓器を除く)遺体の再解剖を行った。

遺族が提出した殺人および死体遺棄の告訴状が2012年8月22日に受理され、殺人事件と断定はされなかったが、殺害の疑いのある刑事事件として自殺、他殺両面での捜査が継続されることとされた(死体遺棄は同年11月15日に公訴時効が成立)。




犯人は祥子さんが兄のように慕っていた人。尊敬している目上の立場の人だった。


あるとき祥子さんは犯人の不正を見つけてしまい、それを正すよう進言していた。


もしも暴かれた時、地位や名誉を失ってしまうほどの不正だった。


祥子さんは犯人を信じていた。ついこんな不正をしてしまったが、この人ならやり直せるはず。きっとちゃんと反省して、再起できるだろう。


しかし犯人の考えは違う。祥子さんが知ってしまったことに動揺し、闇に葬ろうと計画を立てた。


計画通り事は運び、不正がバレることも犯人として捕まることもなかった。


それでも安心はできない。自分を疑う人は沢山いる。地位も名誉も失いたくない。


犯人は利己的で私利私欲のために生きている。


事件を省みることも後悔や懺悔する気持ちも全くない。