事件が起きたのは、15年前の2009年の9月30日の午後6時50分ごろでした。現場は、熊谷市の国道17号と北大通りを結ぶ路地、熊谷市立婦人児童館の向かいです。現場には、学習塾から自宅に帰るために孝徳くんが乗っていた自転車が倒れていました。

警察はひき逃げ事件として捜査していますが、有力な手がかりはなく未解決のままです。

警察は発生当初、時効が10年の「自動車運転過失致死」の疑いで捜査していました。時効10年を迎えた2019年9月には、時効が20年となる「危険運転致死」に切り替えて捜査を続けています。





犯人は中年男性。


その日はとても急いでいて、いつもなら大通りの道を使っているが、抜け道となっている生活道路を使うことにした。


慣れない道でもスピードを緩めることなく走っていた。


そして孝徳くんと接触。


犯人は撥ねころしてしまったと思い、怖くなって逃げた。


もし捕まれば、今まで築いてきた人間関係や地位ががすべて崩れてしまう。それでも自首すべきか。

いや、自転車のほうも無謀な運転をしていた気がする。そうだ、こちらも巻き込まれたのだ。本当の被害者は自分だ…。


犯人は恐怖のあまり事実を受け止められず、自分を正当化し逃げることにした。


しかし今もなおずっと、不安と戦い続けている。


それは孝徳くんに対する後悔ではなく、捕まるのではないかという自分本位な不安だ。


犯人は地元の人間ではないため、それ以来その道は使っていない。