石垣島の大洋丸の船長・小林洋さんが2021年2月16日より漁に出たまま行方不明になりました。
その後、船は発見できたものの今もなお船長は行方不明です。
小林船長はその日、とても張り切っていた。
今日は頑張るぞ!家族のためにもしっかり働かなくては。
やる気に満ち溢れた小林船長に対し、家族は消極的だった。
無理をするのではないか?張り切っているがために無茶をするのではないか?家族は心配ゆえに、強く厳しい言い方で不安を伝えた。
すると小林船長はその発言を一蹴した。経験と実績のある自分を信じてくれていないような気がしたからだ。
海に出てからも、なんとなくそのことが頭に残っていた。
家族の心配なんて蹴散らしてやろう。さらに張り切って漁に勤しんだ。
しかし途中、何度か違和感があった。いつもの漁とは違う気がする。
予感は的中し、トラブルが起こってしまう。
何度か実力でカバーし持ち直したものの、どうにもできない問題が起こった。
でも何とかなるはずだ。今までだって何度もピンチを乗り越えてきた。自分ならできる。そう思い懸命に港に戻ろうとした。
その時にはもう助けも呼べない状態だった。
努力の甲斐なく、ほどなくして小林船長は命を落としてしまう。
日本領海にいるものの、沖のほうにいるため発見が難しくなっている。
自分を心配してくれている人達に伝えたいこと。
自分の人生にはとても満足している。
唯一の気掛かりは、突然の出来事だったため家族があまりに悲しみに暮れている事だ。
心配ばかりさせて申し訳ない。無事に帰り、安心させてあげたかったのに。
これからは前を向いて生きていって欲しい。
海を見て悲しむのではなく、海を楽しんでいた自分を思い出し、笑顔になって欲しい。