２００５年１月１３日（木曜日）午前５時５２分ごろ､北海道石狩市新港中央の砂利運搬会社の事務所内で､従業員の新田猛さん（５６歳）が血を流して死んでいるのを出勤してきた男性社員（３６歳）が発見した｡
司法解剖の結果､頭に鈍器などで数回殴られたあとがあり､死因は脳機能障害だった｡
遺体が発見される直前の１３日午前４時ごろ､事務所から約４km離れた石狩市樽川の大型商業施設にあってＡＴＭが重機（ｼｮﾍﾞﾙﾛｰﾀﾞｰ）で壊される事件が発生。非常通報を受けて警察官が駆け付けると､現場から重機が逃走した｡
ﾊﾟﾄｶｰなど警察車両３台で３０分間追跡したが､犯人は別の白いﾜｺﾞﾝ車（三菱ﾃﾞﾘｶとみられている）に乗り換えて逃走した｡
乗り捨てられた重機は殺害現場となった事務所にあったもので､重機を運転するための鍵は事務所内に保管されていたことから､午前３時から午前４時までの間に､犯人が重機を盗もうと事務所内に侵入し､居合わせた新田さんを殺害したものとみられている｡
犯人は若い男性。
事件現場の会社と関係のあった人物で、鍵の場所や構造を知っていた。
新田さんとも知り合いで、侵入した際顔を見られてしまう。
新田さんは驚きながらも、未来ある青年である犯人に対し必死で説得した。
「こんな馬鹿なことはやめろ、今なら引き返せる」
犯人は躊躇いつつ、もう取り返しがつかないと思い新田さんを殴ってしまう。
組織的な犯行のため、犯人の意思でやめることはできなかった。
その後のニュースで、新田さんが亡くなり自分がさつじん犯になったことを知った。
申し訳ない気持ちもあるが、捕まる気配がないことに心底ほっとしている。