広島県警広島中央署で2017年、特殊詐欺事件の証拠品8572万円が何者かに盗まれた事件で、県警は14日、事件後に死亡した男性警察官(当時36)を容疑者死亡のまま窃盗と建造物侵入の疑いで書類送検し、発表した。
捜査3課によると、書類送検の容疑は、17年3月26日ごろ、金品を盗む目的で広島中央署1階の会計課に侵入し、据え置きの金庫から現金8572万円を盗んだというもの。
最後にこの現金が確認されたのは同年3月15日で、県警はそれ以降に署内の構造に詳しい者が犯行に及んだとみて、警察官や職員ら数百人から事情聴取を進めてきた。
ある警察関係者は、真犯人を知っていた。とても信頼出来る仲間だと思っていた人達だった。
いつの間にか自分も巻き込まれていて、知らない間にお金を受け取ってしまっていた。
まさか盗んだお金だったとは。
仲間とはいえ、犯罪は犯罪だ。
自分は本当のことを知っている、ちゃんと打ち明けよう。
自首するつもりで、全てを話す決意をした。
それを阻止したのは上層部だった。
上層部もこの件に関与していて、暴かれては困ると危惧した。
警察関係者をなだめ、しばらく休むよう指示した。
注目される警察の不祥事。真実を知る関係者。
悩んだのは上層部や実行犯たちだった。
どうするか話し合っているうちに月日は流れていく。
そのうち、部署内で死亡者が出た。
不慮の死だったが、これを利用することにした。
容疑者として罪をなすり付けることにしたのだ。
この者こそ真犯人であるかのように公表し、片付けた。
警察関係者は訝しがっていたものの、事件は終幕となってしまったので何も出来なかった。