2007年2月5日午前11時40分ごろ、岩手県盛岡市前九年1丁目の館坂橋から約200メートル下流の北上川河川敷付近で、雪遊びをしていた岩手県立みたけ養護学校小学部1年で盛岡市中太田に住む滝村隆規くん (当時7歳) の行方が分からなくなった。

隆規くんはこの日、養護学校が学校行事の振替休日だったため、午前11時ごろから、障害者支援を行っているNPO法人の職員に引率され、他の児童2人とともに雪遊びをしていた。

1人の児童が館坂橋方面に数十メートル離れたため、男性職員が連れ戻しに行った。午前11時40分ごろに戻ってきた時には既に隆規くんの姿が見えなかった。目を離していたのは、ほんの数分程度だという。男性職員らが約1時間、近くを探したが見つからなかった。



その日、隆規くんは職員の目を掻い潜り、1人冒険に出かけた。


なんだか気になることを思い出し、いても立ってもいられなくなったから。


でもいくら歩いてもたどり着かないし、そもそも道が分からない。


かと言ってどう戻ればいいのかも分からない。


ただひたすらに進んで行った。


疲れたけれどどうにもできなかった。


お母さんに会いたい。家に帰りたい。


闇雲に歩いているうちに、自然の多い場所で事故に遭ってしまう。


怪我をしてしまい動けない。助けも呼べず、意識も遠のいて行った。