今から11年前に
おじいちゃんとお別れした日
命日ってヤツね
俺ね
妹と年離れてるんだけど
小学校の親に甘えたい盛りに
妹ちゃん赤ちゃんで
俺も
中途半端に聞き分けのいい年になってたから
お兄ちゃんぶって
いい子ぶってた
でもね
やっぱり
おじいちゃん、おばあちゃんだね
見抜いてた
だから
おじいちゃん、おばあちゃんっ子で育った
12年
先におばあちゃんが亡くなった
自分の祖母の事いうのもなんだけど
優しくて
可愛いおばあちゃんだった
絶対痛いとか、ツラいとか言わない人で
強い人だったな
おばあちゃんが倒れた日
まだ意識あってね
救急車待つ間
俺はずっとおばあちゃんの背中や手をさすっていた
でも、真っ青な顔しながらも
大丈夫だよ
大丈夫だよ
って俺に言うんだ
救急車が来たけど
病院に着く前に心臓止まって
意識ないまま人工蘇生で一週間保ったけど
逝ってしまった
それから1年
男って寂しがり屋な生き物だな
って分かった
おばあちゃんが最後に漬けた
白菜のお新香
ばあちゃんの置き土産だって
普通なら捨てる
古くなって酸っぱくなった
お新香
大事に食べてた
元々、農林省の役所勤めしてて
父親(ひいおじいちゃん)が亡くなったのを機に
新聞記者になって
大正時代、昭和初期には珍しく750のバイク乗り回す
粋な人だったって聞いた
とても厳格な人で
頑固で
俺が悪さすると
オヤジに殴られ
じいちゃんにも殴られ…
俺が悪いから仕方ないんだけどね
ばあちゃん亡くなった後
すっかり元気なくなって
1日の大半をテレビ見て過ごしてた
おばあちゃんの一周忌やるんだって気合いだけ
生きてたんだな
一周忌終わって
ホッとしたのか
20日後に亡くなった
じいちゃん、ばあちゃんが
いつも言ってた事
物を壊すのは仕方ない
自分でケガするのもしょうがない
でも、人をケガさせちゃいけないって
あとね
俺のお嫁さん
死ぬ前にみたいね
って言ってたな
俺
じいちゃん
ばあちゃんの言ってた事
何ひとつ守れてない
ゴメンね
こんな孫で
全然成長できてないわ
小さい頃から
手の係る子だったからね
安らかに
なんて言えないね
俺がもっと
ちゃんとしなきゃ
おちおち寝てられないよね
ゴメンね
昔から謝ってばっかで
じいちゃん、ばあちゃんが誇れる人になれるかな?