先日、「幸せの経済学」というドキュメンタリー映画を見に行きました。


大企業と国が動かしている、今のグローバル経済は
本当にムダだらけ。

アメリカでとれたマグロを、日本で加工して
またアメリカに逆輸入したり、
イギリスでとれたりんごを南アフリカで磨いて、再輸入したり。

その間の輸送コストや人件費があるはずなのに、
税金や、国の大企業支援策により、
地元でとれた野菜や食品よりも、値段が安い。

その矛盾に迫る内容でした。


豊かそうに見えるグローバル経済の裏側で起きている悲劇など、
とても考えさせられる映画でした。


映画の感想はかなり色々あるのですが、
今日は映画の話ではなく、本のお話です。


今回の映画に取り上げられていた日本人の教授の本を
たまたま見つけたので、早速読んでみました。




文調が子供向けで、とても読みやすいのですが、
「時間」について、
すごく大事なものを教えてくれる本でした。


たとえばこの1節。

それにしても不思議だ。
ぼくたちの社会では、
ひっきりなしに新しい電化機器やハイテク製品があらわれて
もっと便利な生活を約束する。

(中略)

だが実際はどうだろう?

このぼくたちの忙しさはどうしたわけだ?

節約した時間で「時間もち」になるどころか、
ますます「時間貧乏」になっていくではないか。



ほんとにその通りですよね・・・汗


本の中では、
その節約した時間は、

もっと多くの人に会い、
もっと多くの情報を得て、
もっと多くのビジネスチャンスをつかみ、
もっとお金を稼ぐために使われている。

から、私たちはどんどん忙しくなっているとありました。



本では、
ミヒャエル・エンデのモモの「時間泥棒」の話に例えて
話を展開していくのですが、

私たち人間は、
人の時間だけでは飽き足らず、
生き物たちの時間も盗んでいる
という話が衝撃的でした。


科学技術の発達で、
ふつうの4倍の速度で大きくなるレタスが開発され、
ふつうの6~8倍も速く育つサケがつくられたというニュースが、
すばらしいこととして報じられているけれど、


本来の「生き物時間」を奪われた家畜は、
かなり不機嫌になり、攻撃的になるそうです。


そんな不幸せな命をいただきながら、
はたして人は幸せになれるだろうか?



本の中のこの問いがものすごく刺さりました。




今回の選挙で返り咲いた自民党の安倍総裁は、
「経済の成長戦略」を公約の1つとして掲げていますが、

経済というシステムは、
森や、川や、海や
そして人間以外の生き物から
自然時間を奪い取ることによって成り立っている
ということを忘れてはならない
と思います。


辻さんの本を読んでいたら、
無性にモモが読みたくなって、
通勤電車の中で、毎日モモのページを読み進めています。


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すんごくおもしろいんだけど、
重いんだよね・・・う


単行本にしとけばよかった。