つづき…
いざ、家の中に入ると、
猫のトイレ本体は既に判別つかず、その周りは糞塚のように累積し、猫たちは、部屋中のどこかまだ出来そうな場所を探したのか、窓の5センチくらいのフチにまで💩が。
本来、体に他の匂いが付く事さえ嫌う猫が、皆、ひどいアンモニア臭を放っている。
想像以上に悲惨な猫たちを見て、飼い主に怒りの気持ちが込み上げるも、早くここから猫たちを救出しなければと、次々ケージに移動する。
やっとこの生き地獄から抜け出せる。
ボヤで穴が開いてしまった天井から、屋根裏に上がってしまった3匹の猫は、捕獲器を設置して入るのを待つしかない。
床に捕獲器を置く場所も無く、長靴の足でゴミを押し退け、捕獲器を設置する。
早く捕獲器に入って、この場所から抜けだせますように。
本来は綺麗好きな猫たちが汚物にまみれ、
ここから出られず、痒みと悪臭の中で死んで行った猫に、もっと早く見つけてあげられたら…と
申し訳ない気持ちで、悲しく、悔しい。
ひっくり返る猫を、発作を起こしたのかと見たら、痒くて、のたうち回り、届かない背中を擦り付ける行為だった。
口が届くところは、痒さに毛を引っ張った為か脱毛し、皮膚が赤く露出していた。
近親交配の為、死産か、生まれてもこの環境で成長出来なかったのだろう。
なんとか成長しても、繰り返す出産で体はボロボロになり何年も生きられない。
現に、保護した猫はほとんどがオスだった。
過酷な環境だからこそ、10年もの間、不妊去勢手術をしていなくても、20匹でとどまっていたのかもしれない。
初め20匹居た猫が、ボヤのあと、次々に体調を崩し亡くなり、収容する時は、13匹になっていた。
私が行った日の収容は10匹で、後日、屋根裏に逃げてしまった3匹のうち、2匹は無事つかまったが、あと1匹は、屋根裏で死んでいた。
あともう少しでこの世界から出られたのに。
何年ものノミによる貧血、不潔な暮らしに、腎臓、肝臓も悪くなり、限界だった猫たち。
センターに移り、ノミの駆除をし、やっとノミ地獄から抜け出せたのに、一匹は数日しないうちに亡くなってしまったとの事。
もっと早く助け出す事が出来たら、
悔しい気持ちが込み上がる。
飼い主は、猫たちのご飯の為に朝から夜遅くまで働いていると言う。
確かに積極的な虐待では無いけれど、その人の勘違いが猫たちを苦しめている事、
飼い主による虐待だと気がつかない。
最初は優しい気持ちから助けたであろうとも、不妊去勢手術をしなければ、結果、猫たちを苦しめる事になる。
動物達は、どのように苦しくても、人間のように自殺など出来ない。
耐えて、生きて行くしかないから。
出会った人間の手によって、天国か地獄かになってしまうのです。
あの家で生まれ、あの家で死んでしまった
悲しい猫たちに
合掌