《Verse》 Lover | ~‡ 紫雨薫の部屋 ‡~

~‡ 紫雨薫の部屋 ‡~

気まぐれに徒然に‥時に衝動




愛してやまないあなたは

ある晩 突然消えました

小春日和を楽しんで

食べて 飲んで 昼寝して

そのあと いつもの散歩だと思ってました



ほんの少し 遊びが過ぎて

ほんの少し 相手が強くて

追いかけて 追いかけて

夢中で戦っていたんでしょう




あんなにあんなに

気をつけなさいと言ったのに

常夜灯の照る下で

もっとずるくて野蛮な光る眼を持つ怪物に

食われてしまいました




あなたの日なたの匂いが好きでした

あなたの背中にほほ寄せて

眠りにつくのが好きでした




人間嫌いで美食家だけど

魚の骨をハグキに刺しちゃったり

階段を駆け上がる時に 踏みはずしたり

「これ見て見てー、とれたよー」と

宣伝しながら持って帰った「おみやげ」を

また遊んでるうちに逃げられたり

不器用で、おまぬけで

そんなところも好きでした




あなたの匂い、温もり、声、鈴の音、重み

とても懐かしく思いました

とても寂しく思いました




秋を感じたこの夜に‥‥‥‥


     ~紫雨 薫の乱文御免~-090515_0219~020001.jpg