ケンブリッジに暮らし始めてから、何回か引っ越しをしたのだけれど、いつも歩いて行けるところにパブが何軒かある。

イギリスに暮らすとパブ文化というのがあることが確実に感じられる。

イギリス生活で気に入っていることの一つは地元バプの存在。

今、住んでいるところから歩いて行けるところに　The Hay Makers というパブがある。

料理をしている人がイタリア人で、ここのピザが、イタリアで食べるピザと同じ。生地が薄いのに、もちっとしていて、オリーブやアンチョビが美味しい。ビールも勿論美味しいし、たまにここに夕ご飯を食べに行く。

パブに来る人たちを見ていると面白い。

勿論、その土地によって客層も違うのだろうけれど、私が住んでいるような街の中心地に近い住宅街の場合、年齢層が幅広い。

若いカップル。グループ。中年の友達同士のグループ。中年のカップル。1人できているおじさん。1人できているおじいさん。といった具合。

グループも、アジアン、中近東、インド、ヨーロピアンの混合グループ（多分仕事仲間）などで

ファッションも色々だ。

1人で来ている中年や、老年の男性は、ビールをパイントで頼んで、携帯をみながらくつろいだり

軽食をつまんだりして、ゆっくりと1人の夜を楽しんでいる。所在なさげでも寂しそうでもなくて

落ち着いた雰囲気だ。

カウンターの中には、中年もいれば、若い子たちもいて、その若い男の子たちは

80年代のブリティッシュポップカルチャー風なファッションをしていた。

1人はデュランデュランのジョンテイラーみたいな髪型に、シャツの襟を立てて、前のボタンをいくつか外したりしていた。

金曜日の夜の地元パブは、ほぼ満席だった。

私たちが座った席は薪ストーブのすぐ近く。

私の座る椅子の後ろには、薪がストックしてある。

たまに、働いている男の子が薪を取りに来て、ストーブに放り込んでいた。

私には、少し物珍しい光景なのだけれど、ここでは、薪ストーブが家やパブにあるのは普通のことなので、日常的な風景なのだろう。

私のピザはカプリチョーザという名前。アーティチョークやハムがのっていた。

夫の頼んだピザは、ナポリターナ。

アンチョビに、ガーリックが効いていて、塩味が濃い。

でも、美味しい！！

イタリア式に、切れ目が入っていない。

フィレンツェの市場で、隣に座った女性がコートの内ポケットからハサミを取り出して、ピザをチョキチョキ切りながら食べたのを見て驚いたのを思い出した。イタリアではマイハサミを持ってピザを食べる人がいるんだ！と、新鮮な思いで、そのハサミ遣いに見入っていた。

パブからの帰り道。木が折れているのを見た。可哀想で心が痛んだ。

今日は、嵐で、強風が凄まじかったのだ。

私は午前中、出かけたのだけれど、自転車では横風がひどかったので、たまに降りなければ危なかったし、時々、大きな建物や塀の横に隠れて、息も出来ないような強い風をやり過ごしながら帰ってきたくらい。

家の庭の木戸が、壊れてしまったし、近所では屋根が吹き飛ばされた家もあり、凄まじい風だった。

こんな日は、地元パブで、置いてあるゲーム（こういうパブには、ボードゲームがいくつもある）を楽しんだり、ビールを飲んだりしながら過ごすのは、とても正しい過ごし方のような気がする。