金曜の夕方にサンディエゴを出て、一泊したロサンジェルス。

朝は、近くのWhole Foodsに朝食を買いに出かけた。パンにスープ、フルーツを買って帰り、ホテルの部屋でコーヒーを淹れた。

朝食を食べながら、ホテルの窓から見下ろす街。道を歩く人はホームレスか犬の散歩の人がまばらにいるだけ。

 

ホテルをチェックアウトして、リトルトーキョーへ向かって歩いた。

貴金属を売る店ばかりが並ぶ通りでは、店先にゴールドのチェーンがずらりとかけられ、結構買い物客が出入りしているようだった。

リトルトーキョーの紀ノ国屋書店に、開店時間と共に入った。

ここはイラストやアート系の本が充実しているので楽しい。ここで娘とそのボーイフレンドと待ち合わせをしていた。

 

この日は、前からとっても楽しみにしていたある場所に連れて行ってもらうことになっていた。

車でロスの中心から15分ほどだろうか、ノースハリウッドにあるタイのお寺に出かけるのだ。

ここは週末、お寺の境内にタイの屋台がずらりと並ぶのだそうだ。

私たちはお昼頃に着いた。

 

オレンジ色の布を体に巻いたお坊さんが歩いている。

私たちと他数人以外は、ほとんどタイの人たちばかりのようだった。

 

職場のタイ人の同僚は、一番奥のお店の豚の串焼きを食べるべしと言っていた。

ああ、なんかカラフルで縁日みたいで楽しい。ワクワクする。

まず、トークン(コイン)を20ドル分買った。お店での買い物にはこのトークンを使う。

 

 

 

 

私たちは、ポークベリーと普通のバーベキューポークの串焼きを20本ほど頼んだ。焼き鳥くらいの大きさだ。それからタイのスティッキーライス(餅米)をいくつか。

暑い日だった。テントのような屋根の下のテーブルにつくと、屋根の端から細かい水のスプレーが吹かれてきて気持ちがいい。

バーベキューポークは、夢中になるほどにおいしくて五人であっという間に35本の串を食べた。さらに、グリーンカレーも食べて、甘いタイティーも飲んだ。

他にも、ジェラートだとか、揚げ芋だとか、美味しそうなものはたくさんあった。

でも、お腹がいっぱい。

お腹がいっぱいになって疲れる時と、お腹がいっぱいになってうっとりと幸せで高揚感を感じる時とあるのだけれど、この時は後者だった。とっても安くて、本当に満足のいく味で、私は幸せだった。

 

このあとは、ロサンジェルスのチャイナタウンを訪れることにした。

娘達は、ここにたまに飲茶を食べに来るらしい。

リトルトーキョーもそうだけれど、チャイナタウンも昔で時間が止まったままのよう。

印象としては、1970年代のアメリカのカンフームービーのセットの廃墟のようだった。

全てがなんとなく色褪せて、偽物っぽい。白粉の浮いた、化粧の濃い、年のいった女のような退廃的で悲しいような寂しいような、忘れ去れかけている街みたいな、そんなところだった。

 

 

 

ブルース・リーの銅像。

 

ジャッキー・チェンの映画「ラッシュアワー」の撮影に使われたレストラン。

 

お店の看板がなんともレトロで逆に新鮮。

お土産屋さんのポストカードも品も、すごく昔っぽかった。何十年も埃だけ払われて、誰も買わないようなものがいっぱいあった。

 

さて、そろそろサンディエゴに帰らなくてはいけない時間。

車でユニオンステーションの前におろしてもらった。

 

ユニオンステーションも、アムトラックの電車、サーフライナーも私は大好き。

だから最近、ロサンジェルスに来る時は電車を使うのが好きになった。

 

かっこいいメトロの入り口。アールデコ。

 

床のタイルのデザインも好き。

 

サーフライナーは、その名の通り、途中から海辺を走る電車。海が見えるというのではなくて、本当に海岸を走る。

だから波打ち際も、海岸で寝転ぶ人も、サーファーもすぐそこで、そんな景色が流れてゆく。

二階席の海側に座って、景色を眺めながら帰ってくるのは、なんとも贅沢な時間。

一階の売店でビールを買ってきて飲んでいる人たちもいる。

 

車窓の眺め。もっと海岸近く、波打ち際を走るような場所もある。あの名番組「世界の車窓から」のテーマソングが聞こえてくるような気がする。

 

ほんの一泊二日の小旅行だったけれど、面白かった。これに味を占めて、こんな小旅行をサンディエゴからたまにしてみようかなという気持ちになった。