ケンブリッジには、カイトと呼ばれるエリアがある。
グラフトンというショッピングモールのあたりの、カイト(凧)のような形をしたエリアのことで、観光地とは少し離れているけれど飾らない地元民の憩いの場所でありショッピングの場所で、古い建物も沢山あって、いろんな歴史の足跡が残っているところだ。
最近、面白いケンブリッジのガイド本を読んでいるので、それを元に今まで気づかなかった建物に気づいたりしている。
この建物も、今まで何度か前を通っていたのに気づかなかった。
ウールを扱うお店が昔あったらしく、その時のままの外観なのだそうだ。
ここは、前から気になっていて、一度ビールを飲みに来たこともあるパブ。
まさに看板の通り。
ここは馬が引く路面電車の終着駅だったらしく、建物の形にその名残がある。
1880年から1914年まで使われていたそうだ。
別に有名な場所じゃなくても、古い建物で雰囲気のいいところが裏道などには沢山あって歩きながら、あのドアが好き。とかドアノッカーがいい。とか、外灯のデザインが好きとか眺めながら歩いていることが多い。
ところで、歩いていると、エデンストリート。アダム&イブストリート。パラダイスストリート。という道がつながっていることに気がつく。
これは、この辺りに昔、The Garden of Eden Market Gardenというのがあったせいらしい。
グラフトンの近くには、チャリティストアが沢山あるので、私はここに買い物に行くことも多い。
古本の充実しているお店があって、ここの本のセクションではソファや椅子に座ってじっくりと本のページをめくっている人たちがいるし、アート系の学生がよく買い物に来ていて、古着などを買ったりしている。
また、高級なデザイナーズの服がよく出るので、新品ならば手が出ない店のものを購入するチャンスもある。
ケンブリッジは、文化度が高いので、チャリティストアで面白いもの見つけられるチャンスは高いと思う。
私は、今日はピンクのガラスのお皿のセットとDunoonのマグカップを3客買った。
ビンテージのピンクのガラスは、まるでシャンペインの泡のような、儚さが素敵。
マグカップに描かれた花は、コテージガーデンなどに今咲いている花たちで、とてもイギリスらしいなあと思った。
イギリスの人たちは、庭の花も野の花も、ころんと太ったバンブルビー(蜂)も、小鳥たちも、身近にある自然をとても愛している。
そして、それらをデザインした小物も好きだし、小花模様のワンピースなどもよく着る。
リバティプリントだって、キャスキッドソンのバッグだって、みんなそんなものがデザインされている。
日本も、着物の柄や、帯など、季節の花がデザインとして使われていたし
昔は四季折々のしつらえというものがあったはず。
東京の生活を離れてもう10年以上経つので、今の人々の暮らしはよくわからないけれど
身近な自然の美しさを愛でて暮らしている人たちがいっぱいいるといいなあと思う。
カイトの中には、世界的に有名になったバンドが演奏していたライブハウスだとかあるプリンスが大学生の時に住んでいた家だとか、いろんなエピソードがあるところが結構あって、美味しい中華やイタリアンの店もあるし、何より、Primarkという人気のある店がある。
プライマークは、日本で言ったらユニクロ。アメリカで言ったらforever 21というところだろうか、、、。
このエリアには、アカデミックで、美しい、エリートなケンブリッジではないイメージがある。ホームレスやドラッグをやっている人たちも見かける。でも、元気がある。明るさがある。何か面白いことが生まれそうな雰囲気があるのが好きだ。
ガイドブッグには、カイトを知らないと本当にケンブリッジを知ったことにはならない。という記述があった。なるほど〜と、思う私は、すっかり地元民気分なのだろうか。