ここのところ、イギリスのサンドイッチに、腹を立てている。

というのも、昨日ティールームで食べたサンドイッチに不満足だったからで、よく考えてみたら、イギリスで食べたサンドイッチには、ほとんど不満足のまま来ていることに思い至ったのだった。

 

まず、少し厚めの、味わいと水分の少ないパンには、バターなのかマーガリンなのかわからない、白い脂のようなものがベタっと塗られて、メインのハムだとかそんなものが、ただ挟まれているだけなどというのが多い。

とにかく、簡素なのだ。そして、口の中の水分を奪い、歯にベタベタとまとわりつく、、。

具は、ツナ。ハム。エビマヨ。などが定番で、あと、BLTとか、ローストビーフ。ターキーとクランベリー。などもある。水分のない葉っぱがついていることもあるけれど。

 

アメリカだったら、レタス、アルファルファ、アボカド、チーズにソースとサンドイッチのメインのお供が賑やかで、味も食感もバラエティがある。

 

日本だったら、卵、ポテトサラダ、ハムカツ、トンカツサンドと、サンドイッチ自体のバラエティが豊かだしパンがしっとりしているのがいい。しかも持ちやすい。

 

メキシコのトルタだって、ギリシャのピタパンのサンドイッチだって、ベトナムのバンミーだって、あんなに美味しいのに、なぜ、イギリスのサンドイッチは、こんなに美味しくないのだろうか。

 

もちろん美味しいサンドイッチを売るベイカリーもあるはずだけれど、これは普通の人がそこら辺で買える、一般的なサンドイッチへの意見だ。

 

一度、駅でお腹が空いたので、ジャストハム。というサンドイッチを買ったことがあった。サンドイッチに、こんなにガッカリしたことはなかった。

本当に、バターもマヨネーズも何も塗られていない2枚のパンにハムが挟んであるだけだった。口の中がパサパサになって、飲み込むのに、軽く苦労した。

 

昨日は、BLTを注文したのだけれど、ベーコン(イギリスのベーコンは脂身が少ない)薄切りのトマト、レタス一枚。パンにはマーガリンが塗られている。というもので、トマトとレタスが入っているのにかかわらず水分が足りず、味気ないこと、この上なかった。

同じ皿に乗って出てきたサラダの、トマトやきゅうり、玉ねぎのスライスを挟んでみたけれど、パンがぐにゃぐにゃしてしまい、とても食べずらかった。

 

サラダと言えば、気になるのは、なぜ、ここでは付け合わせのサラダにドレッシングがついてこないのだろう?ということだ。塩も、酢も、レモンも添えられていない。

なので、ドレッシングを頼むと、いつも、ああ、サラダクリームですね。と言ってマヨネーズに似ているけれど、もっと黄色くて甘いものを持ってくるのだった。

 

私は、ただ茹でただけのキャベツやニンジンや、グリーンピースが出てきても、文句を言わずに食べる。どちらかというと好きなくらいだ。

きゅうりも、トマトも、そのままでもいい。

でも、生のレタスと玉ねぎには、何かかけたい。

 

唯一、外で食べたサンドイッチで、気に入ったのは、マチュアチーズとピクルスのサンドイッチで、それ以来、私は気に入って家でも、このチーズとピクルスのサンドイッチを作る。家族は誰も、このサンドイッチを好まないけれど、、、。

 

イギリスのパンは、美味しい。私は穀物の沢山入ったパンをトーストして、そこにアプリコットのジャムを塗り、ハムとレタス、マヨネーズを挟んだサンドイッチを作って食べるのが好きだし、ツナサンド。トースティーと呼ばれるチーズを挟んだホットサンドを作ることもある。

 

英国人は、サンドイッチを、あんなに味気なくしてしまう。

むしろ、味気ないことに安心感を覚えているところがある(絶対にそういうところがある!)そんなサンドイッチを当たり前のこととしていることに苛立ちを覚える。

 

サンドイッチというのは、奥がふかいものだ。

この国で生まれたものだし、私はそういえば、サンドイッチ伯爵が住んでいた家を訪れたこともある。

 

私は、サンドイッチ評論家として、今後も注意深く、この国のサンドイッチを見守っていきたいと思っている。