今日は外が雨降りで寒くて、家でクッキーを焼くのにぴったりの日に思えた。

甘いバニラの香り、しっとりと柔らかいチョコチップ入りのクッキー。

家の中に広がるクッキーの焼ける匂い。を想像して意を決した。

そこで、一番好きなクッキーのレシピの載っている料理本を取り出した。

私がよく使うアメリカの料理本は2冊ある。

一冊は、このJoy of cooking.

もう一冊はBetter Home s and Gardens.

両方とも、アメリカンクッキングの百科事典とでも言えるくらい、メニューの立て方や

テーブルセッティング、食材の基礎知識、食前酒からデザートまで沢山のレシピが載っていて一家に一冊!常備というタイプの料理本である。

 

私がお世話になっているのは、主にベイキングのセクションで、クッキーやブラウニー、クリスマスのスイーツなどはこの2冊をみながら作ることが多い。

 

チョコチップクッキーはこのJoy of cookingのものが気に入っている。

バターをクリーム状にして、ブラウンシュガーを混ぜ込み、卵液とバニラエッセンスを加える。さらに小麦粉、重曹、塩を足して混ぜ、最後にチョコチップを混ぜ込む。

外側にうっすらと焼き色がつき、中はまだしっとりと柔らかいという状態でオーブンから取り出す。

子供の時、クッキーはサクサクとしたものだった。森永のムーンライト。みたいな。

上等なところで、泉屋の缶入りのクッキーとか、、、。

初めて、カントリーマームを食べた時の衝撃は覚えている。柔らかくてしっとりとしたクッキーというのに出会ったのは、あの時だ。

義理の母の焼く、オートミールクッキーの雑穀感のあるミチミチとした噛みごたえと香ばしさは、私の大好物のクッキーの中での一番!昔住んでいたネイバーフッドでは、クリスマス近くになると、近所の人や友達はみんなクッキーやブラウニーを焼いてピーナツバタークッキーやジンジャーブレッドなどの詰め合わせをプレゼントしあったのも、幸せな思い出。あの頃の知り合い、みんなが今日は懐かしくて愛おしくて、ぎゅっとハグしたくなる。

 

そんな中で、もらったクッキーがあまりに美味しくて、このレシピを教えて!と頼んだのが、このチョコチップクッキーだった。彼女が義理のお母さんから貰ったJoy of the cooking は何年の版のものかはわからないけれど、私は古本屋でこの1975年バージョンのものを見つけた。

最初に出版されたのが1931年。この1975年版は6番目のエディションになる。一番ポピュラーで600万部が売られたらしい。一番最近のが2019年の9th Edition。版を重ねるごとに、レシピが新しいバージョンになったり、少しずつ変化している。

 

本当に、百科事典のようにいろんな料理の知識が載っているのだけれど面白いのは

こんな、リス🐿の捌き方。なんてのも載っているところ。同じページには、オポッサム。ハリネズミ。たぬき。などの料理法も!!!

 

ちなみにBetter Homes and Gardensの方も同じように、昔から版を重ねてきた料理本で

私は3冊、違うエディションを持っている。

結婚した時に義母から貰ったものは、使い込んでもうボロボロになっている。

 

そんなクックブックのページをめくっていると、オーブンからは、クッキーの焼ける匂いが漂い始める。少しノスタルジックで、少しだけ悲しくて、そして幸せな気持ちが、そのあたたかい匂いとともに私の心の中に満ちてくる。

 

クッキーのお皿と、冷たいミルクと一緒にお盆にのせて、息子の部屋に持っていった。

ノックに不機嫌に「何〜」と応えた息子は、お盆を見て「God bless you!!!」と言って笑った。