そっと・・

心の記憶を辿るのは雨降りの夜だったり

真夜中に目が覚めて

再び眠りに落ちるまでの時間だったりする・・

記憶の中のあの人のふっと私だけに見せた笑顔や

少し前を歩く背中を思い出している

あの人に会う前のドキドキした気持ちは
きっと出会ってなかったら感じる事はできなかったはず。

凄く好きだったけど
凄く大切だったけど

向けられた背中にさよならを決めたのは私

そう、きっともう会わない。
会わない方が良いよね。って

大切だったけど
そう決めてから
心の扉にしっかり鍵をかけて
思い出さないようにしてた。

それなのに

それなのに

心の記憶はやっぱり消せなくって
どうしてもそこに戻りたくなる。

あの人はもうそこに居ないのにね。

雨降りは心を弱くする・・

今日も心の記憶を辿りながら
もう会う事もないあの人の面影を指でなぞっている

もう直ぐ雨は上がるだろう
雨上がりと共に心の扉にまたそっと鍵をかけよう・・







写真はイメージでお借りしています。
心の詩