A)昔からそうなんですけど、最近カタカナが多くなってきてませんか、皆さん?
B)確かにね、私なんか流行に疎いからほんと困るんですよ
A)私なんかは、ご飯がライスになり、饅頭がスイーツになって、ただ歩くことがウォーキングになってから、世の中よくわからなくなってきたんですよ
B)いろんなカタカナ言葉を使っちゃいますね
A)コラボとかね、セレブとか、リストラとか、メタボとか、もうなんでもカタカナですね、カタカナにしたら格好いいって思ってるのかねえ、ま、そんなもんですかね、例えば、今俺が住んでる家なんだけど、三ヶ国語対応のコンシェルジュがいるんですよ
B)ああ、お前のアパートね、一階の角部屋に住んでる大家のばあさんのことだろ、三ヶ国語って標準語と津軽弁と秋田弁のことだろ
A)家に入るとエントランスはレトロな感じでね
B)古くて汚い玄関ね
A)ダイニングキッチンはコンパクトにまとまってる感じで
B)狭いんですね
A)シーリングからバルコニーにかけて一体感があって調和してるんですよ、リビングはコンパクトになっていてトイレなんかはシェアユーズなんですよ
B)ようするに昭和の時代の四畳半の木造ボロアパートなんだろ、共同トイレの
A)ま、簡単にいうとそんなとこなんだけど、まとめて言わせてくれ、「おしゃれなコンシェルジュが出迎えてくる、飾り気のないレトロなエントランスに入った。コンパクトにまとまったダイニングキッチンに置いてある一輪挿しの花瓶を見ると、バルコニーから入ってくる初夏の緩やかな風がリビングに入ってきた」、とまあこんなおしゃれな感じだ
B)言葉のマジックですね、いいかげんにしろ