→最初へ(Another world NO,1)











意識を持ったピグがこんなにも大勢居るなんて。





私は自分の事はさておき、ピグ達の会話に驚きを隠せない。

操縦者を通しての会話とは、異なる会話がそこかしこで繰り広げられている。




泣いてるピグ。

笑ってるピグ。

怒ってるピグ。




人間関係ならぬピグ関係が交錯しているのだ。





真央の仲良くしてる“ピグとも”の操縦するピグ達の中にも、数人の意識を持ったピグが居る。


エイミンくんはあの日から……会う度に私のファッションを評価しては、私を黙らせる……。




「おお!今日もフリフリ乙w」

「…え?」

「ふいたわw」




何も言い返せないのは、エイミンくんと私の意見が一致しているからなのだろう。

真央は普段もこんな格好しているのだろうか……。




そして、真央の仲良しの“りあっち”に出会った時は、驚いた。

操縦者と息のあったテンションの高さと弾丸トーク。

操縦者の打つ言葉に、すかさず突っ込むのだ。




「マオって恋に恋する乙女って感じやなw」

「恋に恋するってw古いわw」




私はただただ圧倒され、ピグである私に話しているのか、真央に話しているのか解らなくなる事もしばしば。




でも、そんなりあっちが静かになる事がある事に、私は気づいてしまった。

それは決まって、エイミンくんが一緒に居る時なのである。




いつもはおしゃべりなりあっちなのに、エイミンくんを前にすると、まるで借りて来た猫の様。

私は解りやすいりあっちの反応に、笑いを堪えられない。




「りあっち、おとなしいけど、どうしたの?」

「…え?普通だけど」




エイミンくんは、りあっちの気持を知ってか知らずか、意地の悪い突っ込みをする。




「もしや……恋の病か?」



私が操縦者ならばココで爆笑ボタンを連打するのだけれど。

黙り込んだりあっちに、エイミンくんは「当たりか!!」などと、追い打ちをかけるのであった。






そんなエイミンくんの話を逸らすかのように、りあっちが急に話を変えた事があった。




「そんな事より、あの話知ってる?」




りあっちは、私とエイミンくんにそう訊ねた。


エイミンくんは、さも当たり前のように頷いて「ああ」と、言った。


私は二人が何の話をしているかさっぱり解らず「あの話って?」と、訊ね返したのだった。






りあっちは、いつものテンションを取り戻し、このピグ界で今一番関心を持たれているある“謎”について、語り始めた。





その話とは、このピグ界において、まことしやかに伝播したある噂。





この世界の中に、操縦者を持たないピグが少なくとも二人は存在するという。









その名は、アダムとイヴ……。