妹の葬儀は所謂「直葬」で行われた。
突然のことだったので喪主の夫は色々と大変で考えもいたらなったのだろう・・・
と思ったけれど僧侶の読経もなし戒名もなし参列者は家族のみの数名だったので
その、あまりにシンプルさに私自身が念珠さえ持ってきていなかったことに気づき
(あぁ、こういうやり方も又一つの形なのだな・・・)と宗教色の無い葬儀を
初めて体験したのである。
しかし、考えてみれば妹家族は特に信仰している宗教はなかったので厳密な意味で
家族で弔うをいうことは本来はこのようにシンプルなものなのかもしれないと思った
私は仏教徒を自負しているが位牌もなく戒名もない、たった一人の妹の遺骨を抱いたときは(あぁ、元々の葬儀はこういうものなのかもしれない)という感想を持った。
妹の夫や娘には葬儀のやり方などについては一切口出しもせず彼らの行うままに
従った。
それで良かったと思う。
妹は既にいない。残された家族の悲しみを思うとたとえ肉親の親族であろうとも
とやかく言うべきではないと思っている。