クロの命のカウントダウン | お局秘書の日記

お局秘書の日記

酸いも甘いも噛み分けた(?)お局秘書のありふれた日常を、つらつらと綴ります。

過ぎてみれば一年は早い。
思えば一年前の今日、クロの命のカウントダウンが始まった。

体重の五分の二にも相当する巨大腫瘍を切除するというのは

一般的には違和感を感じるだろう。
しかし、日に日に大きくなる腫瘍は、クロの気道を塞ぐ寸前まで

来ていた。

その悲惨な現実を目の当たりにした飼い主や獣医にしてみれば

「現状を何とか改善してやりたい」ただそれだけだった。
それがクロの望みでもあると信じた。

腫瘍と一緒に唯一の片腕さえも失ったクロは、両腕が無くなっても

元気だった。

それまで、ガンの重さで殆ど起き上がれず、ビクビク怯えていた

クロは生まれ変わったように元気になり、ご飯をパクパク食べ、

死ぬほど私に甘えた。けれど、憎きガン細胞は着実にクロを

蝕んでいた。

ガンのことは素人なりに調べた。だから、大きな腫瘍という宿を失った

ガン細胞が次の行き場を求めて転移する事などわかっていた。

でも、クロは大丈夫だと思いたかった。

一年前の今日、クロの首の後ろに大きくなりつつある腫瘍が

見つかった。それは、両腕の無い猫になってから、わずか20日後の

ことだった。「奈落の底に突き落とされる」まさにそんな気分だった。

クロが悪性の骨肉腫を発症し、或る獣医が手術の麻酔でミスをし

クロが生死をさまよったのも二年前の今頃だった。

二年前の11月も去年の11月も、私はいつも泣いていた。
そして私はとうとう、11月という月が嫌いになってしまった。





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