壮絶不倫 -14ページ目
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運命の出逢い

新年を迎えたばかりのある日

ハイグレードなホテルで行われた地元有力者の

パーティーにダンナと二人、夫婦で招かれていた。


壇上では何やら難しい話をしているが

何も耳に入らないし、わからない・・・・・

気持ちは一心にテーブルに所狭しと並べられた

料理の方へ・・・・・。


数十分後・・・

私にとっては無意味なスピーチも終わり、

やっと美味しい料理にありついた。


そこへ私たちを招待した主催者側の人間が

『ご紹介したい人がいます・・・』


このイベント全体を取り仕切っている

プロデューサーだと言う・・・。


こう見えても私は結構シャイで

何をどう話をすればいいのかもわからず

飲み物を取りに行ったり・・・

料理を盛り付けて渡したり・・・

気づけば・・

コンパニオンのような立ち振る舞いをしていた。


彼の目がキラッっと光った


『もう私のことは結構ですから・・・』

『ごゆっくりなさって下さい』


流暢な標準語に少々違和感を感じながらも

私より12歳も年上だという彼を見つめていた。


彼はダンナよりもはるかに小柄で、

身長170センチぐらい・・・中肉。


何か仕事で協力できることがあれば・・

という意味での紹介だった。


その日は何の感情もなく、もらった名刺を

カードケースにしまい。

ダンナと普通に帰路についた。


でも・・・


何かがちがう・・・・。


何だかわからないけど・・・何かが違う。








人生略歴その1

大阪生まれの大阪育ち

大学を出て企業の秘書課やエアーアテンダントの

試験にも合格していたけど、身内の紹介で

某ローカル局に就職、キャスターになりました。


局内では上司との深い恋に落ち、そして

部下との淡い恋愛も経験しましたが、どちらも

不倫ではありませんでした。


それらの恋にピリオドを付けるかのように、

私は放送局を後にしました。



そして学生時代の同級生と安易に結婚・・・・。


なぜ私はそんなに結婚を焦る必要があったのか

自分でもあまり理解ができません。


きっと・・・淋しかったのだろう


きっと・・・ひとりで生きることに疲れていたのだろう


彼は田舎者だけど優しい人で、何でも私の言う通りに

してくれた・・・。


結婚して数年目の春、


ある出逢いがきっかけで、二つの家庭を崩壊させ、

多くの人の人生を狂わせてしまうようなシナリオが

スタートすることに・・・・。

すべてはここから・・・・

今までの私の生き方・・・・


そして


こうなっている今のわたし・・・ 


なにも後悔なんかしていない・・・。



ただ・・・・・ひとつだけ・・・・・


たった一度だけ・・・



それは


あの嵐の夜に


飛ばないかも知れなかったあの飛行機に


乗ってしまったこと・・・・・・・。


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