「なんとなく自閉っぽいな〜とは思うけど、いい人だし、きっとなんとかなるだろう」と思って一緒に暮らし始めたらなんとかならなかったカサンドラガールのMiaです。
はじめに申し上げますが、このブログは、アスペルガーの方や、その他の発達障害の方を誹謗中傷するものではありません。
アスペルガーの方とお付き合いしたり、結婚してなさっている方はたくさんいらっしゃいますし、誰もが私のように心を病むわけではないと思います。
ただ、同じ境遇にあった(あるいは現在進行形で同じ境遇にある)方々と話していると、カサンドラ症候群の苦しみと同時に、「誰にも気持ちを打ち明けられない」「誰にも気持ちを理解してもらえない」という言葉を聞くことがとても多いのです。
このブログでは、カサンドラ症候群を患った人間のひとりとしての経験と考察を記録することで、同じ経験をなさった方々に、「自分は一人ではない」「自分の感情は間違いではない」という気持ちを持っていただきたいと思っています。
まずは、自己紹介を兼ねて、私とパートナーとの出会い、パートナーへの第一印象について書いていきます。
私とパートナーの出会いは、イギリスの大学院です。といっても同級生だったわけではなく、卒業後に行われたOB会で出会いました。
初対面の彼に対する印象は、「穏やかで優しそうな人」。
ポーランド人の彼は、身長が190センチ近くあり、メガネをかけているので、「気は優しくて力持ち」といった言葉が似合う見た目です。
他の人たちの話を微笑みながら聞いている物静かな雰囲気が好ましく、印象に残りました。
同棲を始めてから、これが完全な「外面」だったことが判明するのですが、当時は全く知る由もありません。
ただし、自閉傾向を感じさせる要素もありました。
それが話し方。通常は特に話し手への相槌やコメントを挟むこともなく、笑顔で聞いているのですが、会話の中に何か彼のアンテナにひっかかる要素があると、途端に喋り始めます。そして、その話し方が平板。まるでロボットのような抑揚のない口調、ものすごい早口で喋ります。
その様子は、まるで頭の中に浮かんだ文章をそのまま読み上げているようです。
もう一つは目つき。どこか「心ここに在らず」といった様子で、別の世界を見ているような、自分の頭の中の「台本」を見ているような目をしています。
一般の人は、喋っている時に周りの人の反応を気にしながら、アイコンタクトをしたり、笑顔をつくったり、無意識に話すスピードなどを調整したりしますが、彼にはそれがありません。
この「目の前の世界を見ていない」ような、「自分の頭の中を見ている」ような焦点の合わない目つきは、喋っている時に限らず、常にあるように思います。
目を合わせて話をしている時も、「この人は私をちゃんと見ているな」という感じがしないのです。
どこか、自分の頭の中にある「Mia」という画像を見ているような、目が合っているようで合っていないような、奇妙な目つきです。
パートナーのこういった特徴を見るにつけ、「自閉」という訳語は言い得て妙だな、と感じます。
ただ、アスペルガーといっても人それぞれですし、特性の濃淡や育った環境の違いもあるので一概にはくくれませんので、同様の特徴がない方も多いと思います。
この、「この人は私をきちんと見ていない」「実際の私ではなく、自分の想像が作り上げた人物像を相手にしている」といった奇妙な印象は、付き合いが深くなるとますます強くなったのですが、その件については別の記事で書きたいと思います。