私が麦茶を好きな理由

私が麦茶を好きな理由

俳句とエッセイ

俳句の初心者です。

俳句とその時の気分なんかを書きたいと思います。

ついでに、時々タイムマシンに乗って子供時代や学生時代に戻り、そこで俳句を詠んでみたい。

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昭和40年は、西暦1965年。

男の子のような名前を付けられた女の子「暁(アキラ)」が生まれて5年が経って、1970年。

南大阪のはずれの、ミカン山や田んぼの中に丘を切り開いて作った住宅地に彼女は住み始めた。

父と、母と、生まれて間もない、3つ年下の妹と一緒に。


そこでアキラは、5歳の時に大好きな飲み物に出会った。

それは麦茶。冷蔵庫で冷やした茶色の液体。さらっとしていて、香ばしい匂いがする。


きっとその前にも飲んだことはあったはず。というのも、アキラの麦茶にまつわる最初の感想が、これやから。


「まこちゃん家はええなあ。だって夏だけやなくって、いっつも、麦茶があるんやもん。」


まこちゃん、ことサイトウマコト君がどう言ったかは、大人になった暁の記憶にはない。たぶん、笑っていた。

幼稚園からの帰り道に、いつも送り迎えをしてくれるまこちゃんのお母さんに「遊んでいき」と言われてサイトウ家に上がりこんだ日。

アキラはサイトウ家が好きだった。まこちゃんも、ふっくらしていつも温かいまこちゃんのお母さんも。



ぺたんこの 運動靴や 麦茶汲む


通園のシール見せ合う 麦茶かな


男とは 可能性なり 業平忌(なりひらき)


まこちゃん、小学生の時に転校していらい会ってないけど、元気やろか。

いい男になっていて欲しいなあと、今のアキラは、そう思うのだった。