先日、支援級のお母さんから
「病院で検査を受けるから、子どもの学校のお迎えに行けない。一人で下校させられるか心配。」との相談を受け、
「だったら、お子さんが帰る様子を私が見守っておくよ」と返答した件です。

何度かメールでやり取りし、
そのお母さんが、
「これが切っ掛けで、H君が一人で登下校できるようになれば」と願っている事が分かりました。

ただ、人一倍真面目(真面目過ぎる)で、心配症な性分ゆえ
思いきってH君を一人にする事が出来ないんですね。

なので「H君が一人で下校する様子はさりげなく見守っておくから大丈夫!」と伝えたんです。

月曜日の朝、そのお母さんからメールがあり
「一応、支援級の先生が途中まで送って下さる事になりました。
 時間があれば、帰る様子を見て頂けると安心です。」とのことでした。

念のため、私は支援級の先生に電話をしました。
「H君ママと、こんなやり取りをして、
 下校の様子を見守る事になりました。
 H君の後をコッソリつけて行くけど、怪しい者じゃありませんよ~」と。

すると先生から
えっ?
 でも、Hママからはそんな事は聞いてないし。
 いいです、いいです。
 支援級の方でH君を家までお送りします。」

なんだい。
不審者扱いかいっ!

「いやいや、H君ママから頼まれてるので。
 それにHママは、H君が一人で下校出来るチャンスになるかもしれないとも思ってるんです。家まで送っちゃったら意味ないんです。」と伝えたのですが、
結局、支援級の先生がガッツリ家の前まで送り
私がその後を尾行するという
全く意味のないものになってしまいました。

私はその旨をH君ママに伝えました。

するとH君ママからメールが来ました。

「うちのおじいちゃんから先生に、
 『先生方も大変でしょうから、送るのは途中まででいいです』と伝えました。
 良かったら見守りをお願いします」とのこと。

なんで自分ではなく、
おじいちゃんに言わせるのか。
なんでH君の一人下校の切っ掛けにしたいと言わないのか。

私には分かります。
あ~、H君ママらしいや。

H君ママって、本当に真面目で
全部抱え込んでしまう人なんです。
本当は、
「Hを一人で下校させてみたいんです!
 家族や先生が付き添ったら、いつまで経っても独り歩き出来ないんです。
 見守りは○○さんに頼んでるので。」って言いたいんだけど、

「自閉症の息子の面倒を見るべきは
 一人で下校させたいなんて言うのは、私のワガママなのかも。
 でも……、一人で下校出来るようになって欲しいし…」って、葛藤しちゃうんですね。

そこで、もう一度、支援級の先生と相談し、
先生が、学校のそばの交差点まで送って、
そこからH君一人で下校させてみる。
私がその後を、数メートル離れて尾行し見守る。
よほどH君が困りごとが発生したら助けるけど
基本、全く声をかけない。

こんな計画になりました。

さて昨日火曜日、
いよいよH君の初一人下校です。

私は、ドラマの刑事のように陰に隠れ、
約束の交差点で先生と目配せし合いました。
H君からは気付かれていません。

すると意外にもH君は、先生に元気に手を振り
一人になった緊張からか、
いきなり走り出したんです。
それが早い早い。
しかも坂道だ!!
こっちは電動じゃない自転車だ!!

下校の子ども達の群れを縫って
H君走る!
自転車を引き摺ったオバチャン追う!
(坂道だから漕げない)
肩で息する49才!

あまりの速さで、あっと言う間に家に着き、
何の問題もなく帰宅したH君。

拍子抜けするほど
問題ナッシング!

私は、詳しくH君ママにメールで報告し
「もう一人で下校させても大丈夫じゃないかな?」と送っておきました。

学校の先生からは最後まで
「ありがとうございました。
 でも~、H君ママからは、そんな相談受けてないんだけどな~。」と言われました。

最終的に話したのは支援級の重鎮のおばあさん先生で
「だってHママって、全部抱え込むじゃないですか。言えないんですよ。」と伝えると
「まあ、そうなのよね」とのこと。

さあ、今日からH君ママ、どうするかな。
思いきって一人で下校させられるかな。

ってか、H君ママ、体調も大丈夫なのかな。