旦那との共通の友人にMさん夫妻という人が居ます。

Mさんは長髪細身で、なかなかの男前です。

M奥さんは、Mさんよりも年上で、大らかで母性を感じさせる雰囲気です。

M夫妻の本職は広告制作ですが、音楽やサブカルに詳しく、昔はバンドやってたとのこと。

口調は自信に満ちあふれており、カリスマ性を感じます。

旦那は、M夫妻を「カッコいい!」と憧れました。

 

M夫妻は、私達に様々な音楽・書籍を教えてくれ

ちょっと怪しい変わったお店にも連れて行ってくれました。

 

ところが、M夫妻と付き合いが深くなるにつれて

「あれ?」と思う部分が見えて来ました

 

M夫妻が決して裕福ではない事は、薄々気付いていました。

しかしMさんは「欲しい」と思ったら、高額でもポンとその場でお買い上げ。

CDやDVDや雑貨や服は勿論、

ある時はピアノ、ある時はインドの民族楽器。

あまりにも大胆な浪費っぷりに驚いていると

「自分への投資だ。投資した分、将来何倍にもなって返って来る」と言います。

「うん、うん」って頷いてんじゃねえよ、旦那。

 

ところが、Mさんは購入したきり、それら楽器の練習はしません。

 

自己投資…将来、返って来ないよね?

 

ある日の事

M夫妻と「飲みに行きましょうか」という流れになった時

M奥さんが「あ、あそこにあるやん。ちょっと待ってて」と走って行った先には

 

 

 消費者金融ATMが!

私は、消費者金融を利用した事が有りません。

私にとって消費者金融は、余程のドン底でどうしようもない時にしか有り得ないという感覚です。

 

M奥さんに小さな声で

「手持ちが無かったんですね。ごめんなさい。

 また今度にしましょうか」と囁きました。

 

するとM奥さんは

「大丈夫やで、キャッシングしたらお金が出て来るし。

 便利なもんやで」とキョトンとした顔。

Mさんも

「人との付き合いは一期一会や。

 今、飲みに行こうと思ったら、金を用意してでも行かないと

 次は無いかもしれへんからな」とキメ顔です。

 

衝撃でした。

M夫妻のイメージがガラガラと崩れていきました。

特に旦那は「借金」を忌み嫌っているのです。

理由はこちら下矢印

「借金嫌いの理由」

 

 

その後は、M夫妻と付き合いが長くなるに連れてツッコミ所の連続です。

 

M夫妻宅にお邪魔すると、楽器やオーディオ機器が一杯で

足の踏み場に困ってしまうのですが

「そこ!配線踏まないで」と怒られてしまったり

(配線、壁に沿わせろ)

私が「ツェッペリンが好き」というと、ギターを出して弾き始めたのですが

下手過ぎて続かず、いきなり途中でやめて無言になったり

(ホンマにバンドやってた?)

突然「俺、脱サラして整体師になるねん。ちょっと揉んであげるわ」と言うけど

ただ痛いだけで全く気持ち良くなかったり

(ヘタクソ過ぎるやろ)

そして、そういうM旦那さんをニコニコと受け入れるM奥さん。

(林家パー子?)

 

M夫妻は「憧れ」から、「おもろい夫婦」的な存在になったのです。

 

考えてみると、M夫妻と仲良くなったのは

旦那同士に共通したものが有ったからでしょう。

ただ、M夫妻には子どもが居ないので、将来についてあまり深く考えず夫婦2人の人生を楽しめばいいのかもしれません。

 

うちも子どもが居なかったら、M夫妻のように暮らしていたかもしれません。