愚痴＝真剣にやっている証拠

他のポーカーブログに、なかなか共感できる文章が出ていたので、勝手に紹介します。

　よく愚痴は悪いと言われる。愚かな白痴と書くので、まぁ相当にネガティブな意味となる。しかし全ての苦言を愚痴と取られてしまうと、議論が前に進まず、良い方向に対象が変化していかない。

　例えばポーカー。下振れがキツくて愚痴ってる人がいるとする。もう3000BB以上も下振れしてて、本来は勝ってるのに、収支がイーブンな人がいるとする。そんな人が他のプレイヤーに「下振れがキツイ」と言ったとする。そんな人に対し「愚痴ってんじゃねぇ」と返すのは非常に厳しく、殺生であり、不親切だと言える。
　やってる人は、それがどれだけ辛い事が分かっている。努力した結果が報われなかった辛さを十分に理解している。故に、ただの愚痴だと表現しない。悪くないプレイヤーなのに結果が良くないのは、もちろん運が大きく絡んでいる。そんなプレイヤーが少しくらい＜運を嘆いた＞ところで、真剣に取り組んでる人は悪いと思わない。

　これが、どういう意味か。真剣に取り組んだ経験がある人間の多くは、その辛さを理解している。その度合いも理解している。ノーリミットホールデムで1000BBくらいだったら普通にある話で、それで文句を言ってる人は心が弱いと思うが、その3倍以上の3000～5000BBの下振れは、かなり深刻で酷い状態だと思う。
　それを理解してない人間は、その主張を愚痴だとしか思わない。それか同じようなBB～10000BB下振れてるのに頑張ってるようなプレイヤーの二択だと言える。真剣に取り組んでいれば、ほぼ絶対に愚痴は出るのである。ただの下らない愚痴だと言って終わらせるのは、その対象について真剣にやってない証拠だとも言え、それは当たっている場合が多い。

　格ゲーでは、スト4ではサガットが、スパ4AEでは、ユンとヤンが死ぬほど強く調整されてしまい、多くのプレイヤーが苦言を呈した。この場合でも、現実を知らないで簡単に愚痴だと断ずる人は、相手をする辛さが分かってないか、もしくは自分も強いキャラしか使わないかの二択だと思う。真剣にやってれば、強すぎるキャラに対して文句を言って当然なのだ。それを＜愚痴＞と表現だけで終わってしまう人は、まぁ無理解も甚だしいとしか言えない。やってみれば分かる。

　仕事でも客商売でも何でもそうだけど、絶対に理不尽な事がある。それを、共感もせずに相手の愚痴を否定するだけの人は、その辛さを理解していない。非常識な客が来て怒られたり、それでもマニュアル通り頭を下げなければならないとか、イラつく上司に何も言い返せないとか、ダラダラした同僚と同じ給料な事に不満があるなど様々。
　マジメに真剣に取り組む人なら、その辛さを絶対に理解している。だから「そんな事を言うな、頑張るしかないだろ」などとは言わない。取り組んだ経験がなかったり、極端に少ないから、そんな事を平気で言う。辛さを理解して、ちゃんと経験した者なら、そんな返し方はしない。ちゃんとしたアプローチをアドバイスして、励ます筈である。

　ちなみに僕は、知識や経験に富む、多趣味で興味が多い人間と建設的な話がしたいと思っている。あまりそれができない人生を嘆いているが、それは多くの場合で愚痴としか取られない。これも、よく勉強して、真剣に考えて、多くの作品を消化して、何かを一生懸命に取り組んだ経験がない人間からだと、そうとしか取られない。そんな現状に不満があっても、それを理解された事は25年の人生で一度もない。この遠回しな表現も含めて、まず好感は持たれない。