今日も常連さんについてちょっと。


キムさんとは、カジノ内で話すこともあるリーさん。


おそらく、そこまで歳ではないと思う。頭は薄いが(笑)



リーさんは、キムさんと比べて掛け金が大きいめの人だ。

だが、お金が底をつきはじめると、地道に勝とうと小さく賭けて来る所がまだ可愛げ気がある。


リーさんは、いつも、


『俺はおこってるんだ。』

『俺は、嬉しくないんだ。』を連発する。



勝ったときには、掛け金が小さく、 もっと賭ければよかったと思うとうれしくない。


負けたときはもちろん うれしくない。



なにがあっても、HAPPYにはなれないらしい(笑)


なので、いつも私と会うと、最初の会話は、


『今日はHAPPYかい?それとも、今日も怒ってるかい?(笑)』だ。


答えはいつも、


『今日も怒ってるよ。never be happy!!!!』だ(笑)


リーさんは普通にいい人なので、他の客みたいに大声あげたり、テーブルたたいたりしないので

こっちとしては非常にDEALしやすい。


その代わり、意外なところで STAYしたり、カードを引いたりする。



カードカウンター(見つけたら5年くらいカジノに出入り禁止)ほどではないが、

他の常連以上に前にでてきているカードを頭にインプットしてるんだと思う。

だから、なんとなーく確率的に でかいカードか、小さいカードか、分かる場合もあるんだろう。

もっちろん、うまくいく確率は6割程度だけど(笑)運だね、運。


本物のカードカウンターさんたちや、DEALERのシャッフルからカードの順番をみやぶったいるする本物のすごい方たちは、

どのカードが来るか9割ちかくわかる人もいる。(友達がDEALしたテーブルはほぼ100%だったらしい・・・)



リーさんもそうだし、一部の常連さん(それなりに顔をあわせてる人たち)、もしくはカードを引くべきかそうでないかを

全然知らない一般人は・・・



私の顔を良く見る(汗)


基本的に相手のカードが良くない場合や、相手が負け続けてる場合・・・目を合わせないようにするんだけどね・・・



おそらく、常連さんは、私の顔をみて『ああ・・・ケイは自分のカードの悪さを気の毒に思ってるんだな・・・』と思ってる。

『引くか引かないか・・・どっちのオプションもありなんだなぁ・・・』と。時たま『ケイ、なんで俺のカードはいつも悪いんだ?!』と

目線で言ってくる人も(笑)


つまり、私のエンパシー(同情心)を感じるのだ。



もしくは、ただ私と冗談言いながらゲームしたいだけ(笑)



一番面倒なのが・・・普段はゲームしない一般の方・・・


目線が明らかに・・・


『引くべきなのですか?』と言っている。私の顔を見てどうするべきか知ろうとする。

最悪、『どうするべきですか?』ときいてくる人もいる(笑)



DEALERはやはりゲームを動かしてる立場だし、

実際に客のチップをとってしまうので、確率的にどうすべきかは分かっていても、

それが100%うまくいくかはカード次第のため・・・責任負えないので


『どうするかはあなた次第です。だけど、ここでのあなたのオプションは、カードを引かない、引く、ダブルにして一枚だけ引く。その3種類があります。』 と、オプションを答える。


大体テーブルに常連さんがいる場合は、どうすべきかその人に言ってくれるのだけどねぇ・・・



それなりに、意外な行動に出る人は私にとっても危険な存在だ。

頭の中では、絶対にこの人は引く(HITする)って思ってるのだけど、

STAYされると・・・手と脳みそが一瞬ビビル(笑)


中には間違ってHITしちゃうDEALERもいるくらいだ(笑)私は、それだけは絶対に嫌なので、

かならずHITTING ON ○○ や STAYING ON ○○を言って、相手の意思を確認だけはする。


私のその意志を確認する時の言葉のトーンで、


常連さんや、ルールをわかってる人は・・・


『あ。ケイも確率的に取るべき行動ではないって分かってるんだなぁー(笑)』と苦笑い。


唯一そのトーンだけは私が相手に与えてあげる最大のヒントなんだけどねぇ。

(予測どおりの場合は、相手に尋ねるようなきき方をせずただ言ってるだけ、意外な時は本当に確認する形)



その意外さが、予想に反してうまくいったりもするのがカードゲームなんだけどね。

うまくいかないと、同じテーブルのプレーヤーからすっごい嫌味言われる OR ルールを教え込まれるはめになる(笑)




カードがでてくる順番なんて 運 だって思うけど、

でも、勝ってるテーブルってのは、そのターン、勝ち続けるんだよね、案外。

でも、BOXを開けちゃうと狂っちゃって勝てなくなる。



そーゆーところが奥が深いゲームなんだろうなぁーと思う。



あ、話がそれちゃった。

仕事を始めてからと言うもの、

毎日、昼間であろうが、夜のシフトであろうが・・・


かならず、常連、キムさん(仮名)に会っていた。

(ここ2週間出没率が減ったのだが・・・)


最初は・・・少しおかしい人なのかな?と思っていたのだが・・・

徐々に話をしたり冗談をいったりする仲になり、

私のテーブルにかならず会いに来てくれるようになった。


キムさんは、常連ではあるが・・・掛け金は他の常連に比べて低いし、

プレーせずに見ている場合のほうが大きい。

常連なだけあり、知り合いが多いので、わざわざ私のテーブルに友達を呼んできたりもする(笑)

私のテーブルがDEAD TABLEになった時は、話し相手になりにきてくれたりもする。


現地の人と話すほどの英語力はないキムさん。

だからといって、中国人のディーラーと話すのは嫌なようだ。


だからこそ、日本人の女である私を大そう気に入ってくれている。



キムさんは、毎日一人だ。

きっと、仕事もしていないはず。

家族もいないはず。


どんなに仲良くなっても、ディーラーとして絶対にきけない質問がある。


誰も、きいちゃいけないとは言わないが、

きくべきでないってゆーのは暗黙の了解だ。


仕事は?家族は?


週末に遊びに来る夫婦や家族の人たちは、


『僕はトラックの運転手で、ワイフは小学校の校長先生なんだー。娘たちはそれぞれオフィスで働いてて・・・』

とプライベートなこともベラベラしゃべってくるが・・・

常連さんはしゃべらない。


VIPの方は、それなりにビジネス経営者の方が多いため、

○○関係の方の奥様 とか、多少なりともプライベートを知っているが・・・

VIPではない常連さんは・・・本当に謎だ。



キムさんは、寂しい人なのだろうか・・・


きっと、OUTSIDE OF THE CASINOでは、キムさんに会うことはない。


ディーラーと客。

どんなに仲良くなっても、それはカジノの中でだけの関係だ。


カジノの外での友達や知人は、

その逆でカジノの中では関係を持てない。

(DEALERは友達や知人、親戚とプレーするのを禁止されているし、発覚した場合解雇だ)



キムさんを見ていると、

カジノの外での彼が非常に気になる。


だけど、何年働いても、キムさんの実態を知る日は来ないんだろうな。



一度中国人女性2人組みの常連さんにレストランで会ったとき、

家族全員と食事中だった女性陣は非常に気まずそうに私を見ていたんだ。

(ギャンブルを家族へ隠している人もいるんだろうな・・・と実感した瞬間だった)



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。今日は給料日。いくら入るかなぁ。

学生生活が終わり、

さぁ、これからだ!って時に・・・


突然働いていたレストランが閉店。

バーテンダーとして仕事を続けようかとも考えたが

いい機会なので(ポジティブ思考)職種もかえてみちゃおう♪ってなった。


もともとサービス業にしか興味がない人間なので、

サービス業の範囲内で仕事を探し続けた。


レストランが閉店して約2週間が過ぎた頃・・・



『カジノ、ブラックジャックディーラー募集。』を発見。


4週間の無給トレーニングを無事卒業することが条件だった。



まぁ、面白そうだかぁ・・・とりあえず・・・



ってことで、履歴書などを提出。後日、カジノへ来るように連絡が来た。



20人定員なのに、申請者が異例の200人超えということだった(カジノ側もビックリ)


第一次審査:算数。心理テスト。ブラインドチェック(目の検査)。グループディスカッション。ディーラーとして使える指をもっているかなどのチェック。


そんなのを4時間した・・・



さすがでかい企業だけあり、気合がはいってるなぁーって思っていると、

『後日、パスした方はインタビューを受けていただきます。』

と言われた。



2日後、インタビューへくるようにと連絡が入った。


一次審査はパスしたんだなぁーと思いながら、インタビューへ。

面接官3人対 自分。


フレンドリーな雰囲気で面接が行われた。


約30分の面接の後、手ごたえはバッチリの自分。

過去の職場での経験がこれほどまで自分に有利になるとは思わなかった。


『結果は1週間後に連絡します。あと・・・これ、トレーニングの計画表です★』



計画表を渡された時点で、『ほぼパスしたんだろーなぁ』と調子にのる自分。




一週間後・・・


『ケイ。採用です。トレーニングが始まる前に一度会社に来てください。書類のほうをお渡しします。』


ありがとうございます★と言うと、


『ケイを落とす理由が存在しなかった。感謝することなんてないです。あなたはベストだった。採用されて当然です。』


嬉しかった。




それから過酷な4週間無給トレーニングが始まった。


サービスの面ではケイは問題ないので、スキルを磨くことに4週間専念してほしいとマネージャに言われた。

努力した。努力することは昔から嫌いではなかった。


おかげで、ペーパーテスト(セオリー)では、常にトップ。最終試験はカジノ初の満点でパスした。


そして今、晴れて表でディーラーをやらせてもらっている。

まだまだ経験の浅いディーラーだし、パニックすることもある。

スキルだって、やはり先輩たちにはカナワナイ・・・



そんな私が、常連やVIPたち、週末に遊びに来る若者たちと

どんな会話をし、どんなことを思いながら仕事をしているか。

カジノ内でのハプニング。

カジノの仲間たち、職場内での出来事。などなど



企業初、日本人ディーラーが感じてることを書いていけたらいいなと思っている。



そして、ディーラーしながら来年3月31日までに20000ドルためる目標も叶えたい。

目標達成の際は、カジノの仲間たちと某カジノ(自分の職場系列のカジノでプレーすることは厳禁なため)へ行き、

テーブルを占領し、思いっきり遊ぶのだ♪




。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。現在の預金額3000ドル。