夏らしからぬタイトル。

今回はアナ雪にちなんで「雪女」について書こうと思ってたのだけど、

細かい点を調べてるうちに、

ふと、昔にお世話になった人の名前を思い出したので、

気になって寄り道してしまいました。

「吹雪」の読みは分かりますよね？

「ふぶき」です。

では「雪吹」の読みは分かりますか？

女優さんに「雪吹ジュン」がいるので分かるか。

そうです。こちらも「ふぶき」と読みます。

えこの知人も「雪吹さん」と言って、

何の違和感も無く呼んでいたのだけど、

まさか今頃になって気になってしまうとは。

見ての通り、

「吹」と「雪」をひっくり返しただけの同じ読みです。

天候で馴染みがあるのが「吹雪」。

では「雪吹」とは一体なんなのか。

人名だけに用いられるもの？

ぶぶー。

どうやら違うようです。

調べてみると「茶器」の一種というのが分かりました。

茶道で使う茶器は、表千家のほうで様々な形状と呼び名があって、

「雪吹」もその中の一つ。

こんな形状をしています。

＜雪吹タイプ＞

筒状の茶器で、蓋がある感じ。

器部分を「身：み」と言います。

「身も蓋もない」ということわざは、

この茶器から来てたんですね。

読み：みもふたもない

意味：表現が露骨すぎて、風情がないこと。

身も蓋も無いと入れ物として成り立たないということから、

ことわざが生まれたようです。

おっと、寄り道の寄り道しちゃった。

この「雪吹」という茶器は、

「吹雪くと前後が分からなくなる」ということにちなんで、

「身と蓋の区別がつきにくい」形状に掛けたようですね。

単語自体も「前後が分からなくなる」という「遊び心」で、

「吹」と「雪」をひっくり返してるだけみたい。

言葉で遊べる日本語は、

とても柔らかな文化で、素敵だなぁって思います。

まさしく柔軟性が高い。

その分、順応性も高い。

「単語はこれでなければならない」ってことが無いもんね。

「新しい」って読み方も、

本当なら「あらたしい」が正解なんだけど、

国民の殆どが「あたらしい」って読み違えちゃって、

なおかつ当たり前のように通じてしまうことから、

「もういっか！あたらしいで！」

ってなったんです。

そのせいで、

【新】あたら・しい、あら・た

という風に、世にも奇妙な訓読み増加に繋がったわけです。

ついでに言うと、

「どくだんじょう」もそうですよね。

「どくだんじょう」の漢字は、

本来「独擅場」と書くのであって「独壇場」ではありません。

「独擅場」の読みは「どくせんじょう」って読みます。

わかりにくい？ｗ

どくだんじょう→独壇場

どくせんじょう→独擅場

「つちへん」と「てへん」の違い。

漢字そのものの意味から考えても、

「どくだんじょう」って実は訳が分からないんですよ。

これも、

国民のほとんどが「どくだんじょう」と読み間違えたことから、

認知度が「独だん場＞独せん場」となってしまい、

今では「どくだんじょう」で変換出来るようになったのです。

むしろ「どくせんじょう」じゃ、伝わらないほどにｗ

てか小学生時代のえこは「独壇場」を、

「どたんば」って読んでたけどね！

まぁ、こんな単語が日本にはめっちゃあって、

辞書職の人とか、

「そろそろこれ、常用ってことでいいんでない？」

と日々会議してるとかしてないとか。

えこは「一択」なんて平気で使うけど、

これ、存在しない言葉なんですよね。

使ってる人多そうだけどｗ

こうした常用リーチの言葉を捜すのも、

結構良い暇つぶしになりますよ？ｗ

ではでは、

次回は「雪女」をお送りしますね♪

吹雪と雪吹