浅田真央史上
「最低の演技」 と 「最高の演技」を
ひとつの大会で
しかも、オリンピックで披露する、という・・・・
なんというドラマ
ショートプログラム終了時の衝撃。
真央は好調だと信じていたから、頭をぶん殴られたような感覚と
再びの情調不安定の無限地獄に呑み込まれて１日を過ごしました。
この慟哭のなかでどうしたらリンクに立てるのか
気持ちを想像しただけで、胸が潰れそうだった。
ショートでのどうしようもなく弱かった真央も
フリーでの、そこまで強くいられるのか、と驚嘆する真央も
どちらも浅田真央そのものだったのだと思う。
「浅田真央をやめることはできない」
かつて彼女はこう言った。
NHK杯でインタビューで、生まれ変わったら
もう一度「真央」になりたい、と言った。
それは、スケート人生を選択しなかった場合のもうひとりの自分。
日本中に一人歩きする理想の「浅田真央」が
ソチのリンクに立ったのに
ほんとは優しくて弱い真央がそれを壊した。
そして翌日のフリーに表れたあの、
何物にも呑み込まれず自分は自分だ！と言い放つように滑りきった彼女も
紛れもない本物の真央自身だった。
ひとつひとつのジャンプはかつてないほどのクオリティだった。
高さ、流れがあり、美しかった。
少々の回転不足とＰＳＣの低さは最終グループではない、という
意図的な引き算だと思っている。
ここまで高い技術を整え、
あなた自身をリンクに放り出すかのように
人間の形をした魂そのものが
渾身の力を振り絞って踊っている。
全部伝わったよ。
全部もらったよ。
こんなに心震えるものは、一生の中で何度も出会えるわけじゃない。
あなたは、ただの浅田真央さんで
そんなあなたをこころから誇りに思い
とってもとっても愛していますよ。
素晴らしい演技をありがとう。
この演技の神髄は、きっと
諦めなかった気持ちの先には希望がある
絶え間ない努力は必ず実を結ぶ
これを教えてくれたことだと、今思っています。