面白そうな歴史ものがあったので、久々に映画鑑賞
江戸後期に描かれた「南総里見八犬伝」の作者である”曲亭馬琴”が主役の作品。
評価は・・・・5段階の5カチンコ(歴史好き評価)
八犬伝の物語りと曲亭馬琴の執筆活動とが交互に描かれ引き込まれる内容に
<あらすじ>
江戸時代、人気作家の滝沢馬琴は友人の浮世絵師・葛飾北斎に構想中の物語を語り始める。それは里見家にかけられた呪いを解くため、運命に引き寄せられた8人の剣士たちの戦いを描く物語「八犬伝」だった。北斎を瞬く間に魅了したその物語は大人気に。執筆作業は馬琴のライフワークとなるが、連載開始から25年が経ち、物語もクライマックスに差し掛かった時、馬琴は両目を失明してしまう……。(シネマトゥデイより)
物語りは、室町時代の安房国(千葉県南部)を舞台にした八犬伝のストーリーと、
里見八犬伝を47歳から28年間掛けて書き上げた曲亭馬琴の執筆活動が描かれる。
歴史で習う”曲亭馬琴”や”南総里見八犬伝”が良く知れて勉強にもなる作品
作品の挿絵で”葛飾北斎”にお願いするなど、とても親しい間柄なのも伺える。
また、”四谷怪談”の狂言作者”鶴屋南北”が登場したり、”歌川広重”の名も登場。
八犬伝のパートでは、里見家を呪う怨念と運命の元集まった八犬士が戦う
この時代に、躍動感あるファンタジーが描かれていたことに驚愕
曲亭馬琴のパートでは、執筆していた自室での葛飾北斎とのやりとりが面白い
28年と言う年月の間には、病弱な息子の死や構って上げられなかった妻との確執、
73歳で失明しその後息子の嫁との口述筆記による作品完成と苦難の道のりも。
幕末映画「峠」の主役河井継之助役も然り、馬琴役の”役所広司”がハマり役
この作品は、単なる里見八犬伝の映像化ではなく曲亭馬琴の人生も一緒に描かれ、
2つの時間軸を使った手法で描かれた伊能忠敬の「大河への道」同様に見易く、
両方の物語りがどう展開していくのか魅入ってしまう面白い作品でした