石をジュエリーの色の違い
程度にしか思っていなかった頃、
アメシストはアメシスト、
エメラルドはエメラルド、だと思っていた。
知れば知るほど、石の世界は奥深い。
長い年月をかけて地球の中で育ったのだ。
環境や年月で変化する色や形、内包物。
まるで人のような複雑さ。
このブラジル産のアメシストは、
インクルージョンが多い。
そのおかげで、
どの角度でも内側がキラキラときらめく。
大きな虹もくっきり。
左上は、少し黄色がかり、
アメトリンの個性も持つ。
完璧主義だった頃は、
内包物は許せなかったかもしれない。
少なくとも、自分自身の内包物は許せなかった。
でも、完璧ではないからこそ、
こんなにいろんな表情が見られる。
くるくる回しながら中を覗き込んでいると、
時間が経つのも忘れてしまう。
同じ石は他にはない。
人と同じ。
だから、こんなにも石の魅力に
取り憑かれているのかもしれない。

