【NHKマイルC】レース展望

サンケイスポーツ 

5/1(月) 15:47配信

 今週から6月4日の安田記念まで5週連続、東京でGIが行われる。幕開けは3歳のチャンピオンマイラー決定戦・第22回NHKマイルC(7日、芝1600メートル)。前哨戦のニュージーランドTの1、3着馬に、桜花賞、皐月賞の出走馬が加わり、バラエティーに富んだメンバーが集まった。ゴールデンウイーク最終日の府中の杜で、スポットライトを浴びるのはどの馬か。

 ニュージーランドT優勝馬ジョーストリクトリ(栗東・清水久詞厩舎、牡)は、2009年の覇者ジョーカプチーノの初年度産駒。01年クロフネ&15年クラリティスカイに次ぐレース史上2組目の父子制覇に挑む。ニュージーランドTでは12番人気の低評価ながら、稍重馬場を苦にせず、好位から伸びて2着メイソンジュニアに1馬身1/4差をつける完勝だった。

 折り合いに不安がなく、レースセンスは抜群。東京コースでも、芝1400メートルの新馬戦で快勝している。天皇賞・春をキタサンブラックで制した武豊騎手、清水久詞調教師のコンビが、2週連続でGIの表彰台に立つことができるか注目だ。

 桜花賞4着のカラクレナイ(栗東・松下武士厩舎、牝)はこれまでの5戦で上がり最速を3回、2位を2回マークしている末脚自慢。前走の桜花賞も14番手から力強く伸び、勝ったレーヌミノルから0秒2差まで追い上げた。展開に左右される面は否めないが、その決め手はライバルたちにとって脅威。今回は未勝利、フィリーズレビューで勝利に導いたミルコ・デムーロ騎手に手綱が戻る。優先権があったオークスを回避してこちらをチョイス。昨年のメジャーエンブレムに続く桜花賞4着からの戴冠を狙う。

 桜花賞5着のアエロリット(美浦・菊沢隆徳厩舎、牝)は1勝馬ながら、フェアリーS、クイーンCと重賞で2度の2着がある。今回と同舞台のクイーンCでは1分33秒3の好タイムで走破。父クロフネが01年、いとこのミッキーアイルが14年の優勝馬で、血統的にもこの舞台はベストといえる。血の後押しを受け、待望の2勝目をGIで飾っても不思議はない。

 ディバインコード(美浦・栗田博厩舎、牡)は、キャリア7戦で【3・2・2・0】の安定感を誇る。2度ある3着はともに重賞の京王杯2歳S、アーリントンCで、ワンパンチ足りない印象はあったが、前走のオープン特別・橘Sでは5番手から上がり3ハロン34秒5の末脚で鮮やかに抜け出した。決め手に磨きがかかった今なら、主役の座を射止めることも可能だろう。

 朝日杯フューチュリティS2着のモンドキャンノ(栗東・安田隆行厩舎、牡)は前走のフジテレビ賞スプリングSで10着と大敗したが、マイル戦なら見直しが必要。父キンシャサノキセキ、母の父サクラバクシンオーという血統面から、スプリングSの1800メートルは1ハロン長く、3カ月の休み明けだったことも影響した印象だ。陣営は前走時に、「たとえ勝っても皐月賞には向かわずNHKマイルCへ」と公言しており、目標をここに置いてきたことは明らか。京王杯2歳S(1着)時のクリストフ・ルメール騎手との再コンビで、GI制覇を目指す。

 皐月賞10着のプラチナヴォイス(栗東・鮫島一歩厩舎、牡)はスピードが武器。京都の芝1800メートルの未勝利戦でマークした1分45秒9は2歳コースレコードだ。皐月賞は勝ち馬アルアインから0秒5差。悲観する内容ではない。右回りでは内にササる癖があり、左回りなら変わり身も見込める。初のマイル戦で持ち味を発揮できれば、チャンスは十分だ。

 アウトライアーズ(美浦・小島茂之厩舎、牡)はスプリングS2着後の皐月賞で12着だったが、4コーナーで外を回るロスがあった。着差は勝ち馬から0秒6差。プラチナヴォイス同様、着順ほど負けてはいない。田辺裕信騎手がデビュー戦から競馬を教え込んできた素質馬。前走の大敗だけで見限るのは早計だろう。

 アーリントンC2着以来となるレッドアンシェル(栗東・庄野靖志厩舎、牡)は、叔父に英GIキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったナサニエル、叔母に愛オークス馬グレイトヘヴンズがいる超良血馬。ゲート難や、テンションが高くイレ込む面を残すなど、まだ若さが見られるが、秘めた能力は相当なもの。新馬→オープン・もみじSを連勝したときの福永祐一騎手に手綱が戻る点もプラスに出そうだ。

 ボンセルヴィーソ(栗東・池添学厩舎、牡)はデイリー杯2歳SとファルコンSで2着、朝日杯FSとニュージーランドTで3着の実績がある。初挑戦だった皐月賞をアルアインで勝ち、平成生まれ初のJRA・GIジョッキーとなった松山弘平騎手は、このNHKマイルCも初参戦。思い切りのいい手綱さばきが注目される。

 出世レースのシンザン記念で皐月賞1、2着馬を撃破しているキョウヘイ(栗東・宮本博厩舎、牡)の道悪の強さは、不良馬場のダービーで2着だった父リーチザクラウン譲りのもの。馬場悪化の際は要注意だ。

 他には、朝日杯FS4着のミスエルテ(栗東・池江泰寿厩舎、牝)、交流GI全日本2歳優駿Vの実績があり、芝でも2勝を挙げているリエノテソーロ(美浦・武井亮厩舎、牝)、札幌2歳Sの勝ち馬トラスト(栗東・中村均厩舎、牡)も、底力はある。軽くは扱えない存在だろう。

 また、抽選対象のエトルディーニュ(美浦・小桧山悟厩舎、牡)、タイセイスターリー(栗東・矢作芳人厩舎、牡)、ガンサリュート(栗東・安田隆行厩舎、牡)はいずれも重賞で連対歴のある馬たち。出走枠に入ってくれば、上位争いに加わっても不思議はない力量を持っている。

 

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