日刊ゲンダイDIGITAL

2016/12/21(水) 9:26配信

 

 

 日本人は今、どれくらい幸せなのか。PGF生命が20~70代の男女2000人にアンケートした結果が興味深い。

 世帯年収別の分野別満足度を聞くと、「仕事・職業」「マネー(貯蓄)」は年収が上がるに比例して満足度も高まるが、妙なのは「趣味・レジャー」「恋愛・結婚」「健康」の3項目について。なぜか「年収800万~1000万円」だけカクンと下がってしまうのだ。

 このクラスの家庭はバリバリの中産階級。一方で、働くサラリーマンとしては多忙な中間管理職も多く、趣味やレジャーなどの余暇にあまり時間を割けないことも考えられる。子育て真っ盛りの家庭も多く、夫婦水入らずを楽しむ機会も少ない可能性がある。

「そして何より、この年収帯の家庭は、税優遇や控除・手当も削られる“ハズレ世帯”でもある。児童手当は約920万円以上(子2人)で打ち切られ、横浜市などの場合は私立幼稚園助成なども半分程度にまで減らされる。大学の第1種奨学金(無利息)も、自宅外の国公立生は824万円(4人家族)で足切りされます。比較的恵まれた収入にもかかわらず、家計の負担感は大きいのです」(ジャーナリスト・中森勇人氏)

 日本は今、貧乏人と大金持ちの二極分化の方向にあるが、少なくなりつつある中産階級まで疲弊しているのだ。

 政府は配偶者控除の年収制限も検討中。今のところ年収1120万円以上が対象だが、そうなると、この年収世帯もダメージを負うことになる。

 ちなみに、年代別に聞いた「人生の満足度」では、60代以上の67%が「満足」と答えたのに対し、20代は39%と年齢が若くなるにつれて減る傾向がある。どちらもショッキングなデータだ。