タイ,カジノ合法化案浮上 税収増に期待,警察庁長官も支持

SankeiBiz
7月22日(水)配信

タイでカジノの合法化案が浮上している。
同国国家改革評議会(NRC)の一部議員から,税収増などを図るためカジノ合法化を求める声が上がった。
国家警察庁長官も合法化支持を表明している。
一方で,合法化によりギャンブルに関連した犯罪の増加などを懸念する声も聞こえる。
現地紙ネーションなどが報じた。

合法化を提言したNRCの評議員は,カジノの合法化に伴い,タイは初年度で最大4000億バーツ(約1兆4440億円)の収入を見込めると指摘。
カジノを振興するシンガポールでは,外国人旅行者数がカジノを開設した2009年の970万人から14年には1500万人に増加,さらに3万人の雇用創出があったとし,合法化で税収増や観光振興が期待できると強調した。
カジノの設置場所としては,タイ東部の観光地パタヤが最適との見方だ。

また,ソムヨット国家警察庁長官は,歴代長官の中で初めてカジノ合法化を支持する姿勢を明らかにした。
合法化にあたってはカジノの入場規制など一定条件を示し,9月には国民の意見を聞くためのウェブサイトを立ち上げるとしている。

ただ,カジノ合法化には否定的な見方も多い。


バンコク大学が18歳以上の1093人を対象にした調査で,全体の58.5%が合法化に反対していることがわかった。
合法化によるギャンブル依存症や犯罪の増加などが反対理由として挙げられた。
 
同国のプラユット首相は,カジノ合法化については,世論の賛成を得られないとして否定的な立場を表明している。
 
同国は長引く不景気から抜け出すため,経済活性化への起爆剤が求められるなか,カジノ合法化をめぐる今後の動向が注目される。