脚がムズムズする…「レストレスレッグス症候群」ってなに?
2015/03/18 17:21
“むずむず脚症候群”またの名を“レストレスレッグス症候群”。眠ろうとベッドに入ったときや,乗り物などでじっと座っているときに,脚の内側から不快感がおこる病気です。国内に推定200万人いるといわれ,決して珍しい病気ではありません。
神経内科や睡眠外来などで適切な治療を受ければ症状は治まりますが,医療機関を受診している患者さんは非常に少ないといわれます。
600万人が利用する日本最大級の病院検索サイト『QLife』と『QLifeお薬検索』の2月検索ランキングにおいて,検索数が急増したというこの病気についてご紹介しましょう。
■これって「レストレスレッグス症候群」?
じっとしているときに脚にこんな感じがあったら,レストレスレッグス症候群を疑ってみてもいいかもしれません。
・ほてる
・デタラメに動く
・かきむしりたくなる
・ムズムズする
・ビリビリする
・けいれんする
・チクチクする
■特徴的な自覚症状
夕方から夜間に症状が強まるので,夜寝ようと横になったときに症状を自覚することが多く,症状に起因した寝不足により日常生活に悪影響がでることで,QOL(生活の質)が損なわれることも。
就寝中に周期的なピクつくような動きがでることもあります。軽度であれば症状が現れるのは夜間だけですが,重症になると,会議中や映画鑑賞中など,昼間安静にしているときも同様の症状がみられるようになります。不快な症状を感じると脚を動かしたくてたまらくなり,動かすと症状は軽減されます。
■原因と紛らわしい疾患
神経伝達物質“ドパミン”がうまく働かなくなることによって症状が現れると考えられているものの,はっきりとした原因はわかっていません。そのため,ドパミンを作るのに必要な鉄分の不足により症状がでやすくなります。
また,レストレスレッグス症候群は慢性腎不全(透析中),糖尿病,関節リウマチの患者にも多くみられる症状です。さらに,似たような症状が現れる病気に,末梢神経障害や脊髄の疾患などがあります。
■治療法は?
治療には,非薬物療法と薬物療法があります。軽い症状であれば「規則正しい睡眠」「適度な運動」「食生活/体重の管理」等の生活習慣の改善だけで治ることも。
ほかに,発症原因の1つとして考えられている鉄分不足を補うための鉄分の補給量増加,症状を悪化させると考えられている喫煙,飲酒,カフェインの摂取を控えること,脚のマッサージなども有効です。
QOL(生活の質)を大きく低下させるレストレスレッグス症候群ですが,「症状をうまく言葉で説明できない」「どの病院,どの診療科にいけばよいのかわからない」などの理由で,医療機関を受診している患者さんは非常少ないのが現状です。
前述のように紛らわしい疾患などもあり,自分自身で「レストレスレッグス症候群」かどうかを判断することは難しいため,思いあたる節のある方は,神経内科,睡眠外来などの医師に相談するのがおすすめです