ジェラールのクラシック・オペラ名盤迷盤ガイド

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辛口音楽評論家ジェラールがクラシックやオペラの名演奏を紹介。CDだけでなく演奏会批評も掲載!知られざる名盤に出会えるかも?

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今年の「ラ・フォル・ジュルネ」は、
出演者のキャンセル等が相次いだり、ホールの一部に電源系統の不具合が生じたため、いったん白紙に戻し、再構成したプログラムになるそうです。

チケットはいったん払い戻しとなる模様です。

http://www.lfj.jp/lfj-friends_2011/mailmag/2011/04/post-47.html

私は仕事の方でてんやわんやでしたので、
ブログも更新できず、チケットも入手してませんでした。
オークション等で入手して可能な限り行きたいと思っていたのですが。。。

こんな状況ですが、ぜひ名匠コルボ先生には来日して欲しいなぁ。

ということで、4/22(金)に新プログラムが発表されるそうです。
歌劇 「カルメン」 (ビゼー)


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《出演》
【カルメン】 エリーナ・ガランチャ
【ドン・ホセ】 ロベルト・アラーニャ
【ミカエラ】 バルバラ・フリットリ
【エスカミーリョ】 テディ・タフ・ローズ
《ダンス》 マリア・コウロスキ、マーティン・ハーヴィー
《バレエ》 メトロポリタン歌劇場バレエ
《合唱》 メトロポリタン歌劇場合唱団
《管弦楽》 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
《指揮》 ヤニック・ネゼ・セガン
《振付》 クリストファー・ウィールドン
《演出》 リチャード・エア
収録:2010年1月16日 メトロポリタン歌劇場 


本公演がメトデビューとなったネゼ・セガン。

若々しくかつ鮮烈な響きで前奏曲を開始!凄演の予感!!


と思ったものの、セガンのとるテンポは、ちょっと意図が不明なところもあった。
なぜ第1幕の行進曲こんなに速いのか。
もう少しゆっくりしていないと落ち着かない。
せかせかし過ぎな気がする。

などなど、もう少しコントラストをつけた方がいいのに、
というところも多々あったが、
まだまだ若い指揮者なので今後の成長をさらに期待したい。

それにしてもガランチャのカルメンは素晴らしかった!!
いわゆるイメージ通りのカルメン!!
歌も演技も現代最強のカルメンといっていいだろう。 


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ミカエラは個人的にはもっと声質の明るいレッジェーロにやってほしいのだけど、
フリットリも十分魅力的。
うっとりとホセを見つめる視線に思わず観ている僕もついうっとりしてしまった。
いつ聴いても魅力的な二重唱。全曲中一番好きなところだ。

その2重唱のあとで大騒ぎ。
このようなコントラストが実に巧妙なのが『カルメン』の素晴らしさ。
名曲の名曲たるゆえんである。

この映像を観ていて確信した!
史上最強の肉食系女子はカルメンに決定!!!!

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カルメンの踊りと帰営ラッパが重なるところが天才的
アラーニャはひょっとしてゲオルギューをカルメンに見立てて歌ってたりしてww
 

スカラでの騒動以来、あまりよく思ってなかったアラーニャだが、
このホセは名唱。

エスカミーリョの
タフ・ローズは代打だったそうだが、
なかなか見事な伊達男ぶりだった。

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その他の脇もしっかり固まっていて
さすがはメトといわんばかりの名舞台であった。

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なお、この公演はDVD化されています。

ビゼー:歌劇《カルメン》 [DVD]/メトロポリタン歌劇場バレエ団
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¥10,000
Amazon.co.jp

Carmen: Eyre Nezet-seguin / Met Opera Garanca Frittoli Alagna


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HMV



http://www.shochiku.co.jp/met/program/0910/

Susan Graham (Octavian)
Renée Fleming (Princess von Werdenberg)
Kristinn Sigmundsson (Baron Ochs)
Christine Schäfer (Sophie)
Thomas Allen (Faninal)
Wendy White (Annina)
Rodell Rosel (Valzacchi)
Eric Cutler (A Singer)
Erica Strauss (Marianne)
Nicholas Crawford (Mohammed)
Bernard Fitch (The Princess's Major-Domo)
Belinda Oswald/Lee Hamilton/Patricia Steiner (Three Noble Orphans)
Charlotte Philley (A Milliner)
Kurt Phinney (An Animal Vendor)
Sam Meredith (A Hairdresser)
James Courtney (A Notary)
Stephen Paynter (Leopold)
Craig Montgomery/Kenneth Floyd/Marty Singleton/Robert Maher (Lackeys and Waiters)
Ronald Naldi (Faninal's Major-Domo)
Tony Stevenson (An Innkeeper)
Jeremy Galyon (A Police Commissary)
Ellen Lang (A Noble Widow)
Conductor: Edo de Waart
Production: Nathaniel Merrill
Set and Costume design: Robert O'Hearn
Stage direction: Robin Guarino


メトらしいオーソドックスで豪華な舞台

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歌手も揃っているし、デ・ワールト指揮のオーケストラもすこぶる美しい
ぜひDVD化を望みたい。

メトのライブ・ビューイングおなじみの有名オペラ歌手によるインタビューだが、
今回は案内役がなんとドミンゴ!

フレミングのマルシャリンはまさにハマり役。
声楽的にもビジュアル的にも最高。

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オクタヴィアン役のグレイアムも歌はなかなかだが、
17歳の青年なのだからビジュアル的にはもう少しスリムだと良いのに、と第1幕を観た時に思ったが、
第2幕、第3幕ではむしろ17歳なのに立派に見えるところが逆に魅力的に映った。

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オックス役のシグムンドソンはブッフォの雰囲気といい、好色漢の感じといいハマり役。
http://en.wikipedia.org/wiki/Kristinn_Sigmundsson

デ・ワールトの音楽づくりも洗練されていて、クライバーのような別格級と比べなければ十分素晴らしい


第2幕の前奏もまた格別美しい。 
ファーニナルがトマス・アレンで、まだ現役だったのかと驚いた。
若い頃はより深みと味が格段に増している。
シェーファーは当然素晴らしい

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脇役では
マリアンネ役のErica Straussも素晴らしい。第2幕冒頭の3重唱がとっても美しい(*^_^*)

そして、2重唱、3重唱、幕切れのワルツの美しさも筆舌に尽くしがたいものだ

第3幕も最初から最後まで息も継がせぬ名演


それにしても、リヒャルト・シュトラウスの音楽が素晴らしい
ロマンティック(というエロティック)な色彩感と貴族的な優雅さ
イタリア・オペラでは絶対に聴けないものだ。

登場人物も多く、ドタバタ劇にしか見えない場面がいくつかあるのが残念だが、
それでも最高に美しい、というか蠱惑的な音楽が全篇に漂い、
そのような欠点を補って余りある舞台にしてしまうのだ。

これぞ音楽の魔法といわずして何であろう。

昨シーズンのメトの演目がBS-hiにて放送されます。

というか、実は昨夜から始まっていますヽ(゚◇゚ )ノ


少しずつレビューをアップしていこうと思います。


http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/70365.html


2月20日(日)
午後10:45~午前2:25
歌劇 「ばらの騎士」 (R.シュトラウス)
《出演》
【ウェルデンベルク侯爵夫人】 ルネ・フレミング
【オックス男爵】 クリスティン・シグムンドソン
【オクタヴィアン】 スーザン・グレイアム
【フォン・ファーニナル】 トマス・アレン
【ゾフィー】 クリスティーネ・シェーファー
《合唱》 メトロポリタン歌劇場合唱団
《管弦楽》 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
《指揮》 エド・デ・ワールト
《演出》 ナサニエル・メリル
収録:2010年1月9日 メトロポリタン歌劇場




2月21日(月)
午後10:00~午前1:02
歌劇 「カルメン」 (ビゼー)


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《出演》
【カルメン】 エリーナ・ガランチャ
【ドン・ホセ】 ロベルト・アラーニャ
【ミカエラ】 バルバラ・フリットリ
【エスカミーリョ】 テディ・タフ・ローズ
《ダンス》 マリア・コウロスキ、マーティン・ハーヴィー
《バレエ》 メトロポリタン歌劇場バレエ
《合唱》 メトロポリタン歌劇場合唱団
《管弦楽》 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
《指揮》 ヤニック・ネゼ・セガン
《振付》 クリストファー・ウィールドン
《演出》 リチャード・エア
収録:2010年1月16日 メトロポリタン歌劇場


2月22日(火)
午後10:00~午前0:47
歌劇 「シモン・ボッカネグラ」 (ヴェルディ)


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《出演》
【シモン・ボッカネグラ】 プラシド・ドミンゴ
【マリア・ボッカネグラ】 アドリエンヌ・ピエチョンカ
【ガブリエレ・アドルノ】 マルチェルロ・ジョルダーニ
【ヤコポ・フィエスコ】 ジェームズ・モリス
【パオロ・アルビアーニ】 スティーヴン・ガートナー
《合唱》 メトロポリタン歌劇場合唱団
《管弦楽》 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
《指揮》 ジェームズ・レヴァイン
《演出》 ジャンカルロ・デル・モナコ
収録:2010年2月6日 メトロポリタン歌劇場

2月23日(水)
午後10:00~午前1:02
歌劇 「ハムレット」 (トマ)


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《出演》
【ハムレット】 サイモン・キーンリーサイド
【オフィーリア】 マルリース・ペテルセン
【ガートルード】 ジェニファー・ラーモア
【クローディアス】 ジェームズ・モリス
【レアティーズ】 トビー・スペンス
【ポローニアス】 マキシム・ミハイロフ
《合唱》 メトロポリタン歌劇場合唱団
《管弦楽》 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
《指揮》 ルイ・ラングレ
《演出》 パトリス・コリエ / モーシュ・ライザー
収録:2010年3月27日 メトロポリタン歌劇場


2月24日(木)
午後10:00~午前1:13
歌劇 「アルミーダ」 (ロッシーニ)

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《出演》
【アルミーダ】 ルネ・フレミング
【リナルド】 ローレンス・ブラウンリー
【ゴッフレード】 ジョン・オズボーン
【エウスターツィオ】 エギシェ・マヌチャリアン
《バレエ》 メトロポリタン歌劇場バレエ
《合唱》 メトロポリタン歌劇場合唱団
《管弦楽》 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
《指揮》 リッカルド・フリッツァ
《振付》 グラシエラ・ダニエレ
《演出》 メアリー・ジマーマン
収録:2010年5月1日 メトロポリタン歌劇場

東京芸術劇場シアターオペラ
マスカーニ『イリス』を鑑賞してきました。

指揮・演出/井上道義
イリス/小川里美
チェーコ(イリスの父)/ジョン・ハオ
大阪/ワン・カイ
京都/晴 雅彦
ディーア&芸者/市原 愛
乞食/西垣俊朗
踊り子/(美)橘るみ、(吸血鬼)馬場ひかり
人形師/ホリ・ヒロシ
邦楽師/杵屋利次郎社中
胡弓/篠崎正嗣
合唱/武蔵野音楽大学(合唱指揮:横山修司)
管弦楽/読売日本交響楽団

http://www.geigeki.jp/saiji/020/index.html

この作品、日本を舞台にしたオペラにもかかわらず、
めったに舞台にかけられない。

日本初演は1986年の藤原歌劇団公演。
http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200998609150130089/

このときの指揮者井上道義が2008年に再演、今回は再再演ということになる。
前回は見逃してしまったので、今回は本当に楽しみにしていた。

期待を上回る名舞台!
太陽の讃歌からいきなり感動した!!
合唱団大健闘。
色彩感が素晴らしくセミステージながら
幻想感たっぷり!


歌手もイリスの小川里美を筆頭に大阪のワン・カイ、京都の晴雅彦も素晴らしい。
イリスと大阪は超の字のつくほどの難役で、
このオペラがなかなか上演されない理由の一つでもある。

小川さんは高音がきつそうな部分もあったが、これだけ歌えたら文句のつけようがない。
ミス・ユニバース 日本代表に選ばれたという経歴の持ち主というだけに実に舞台映えがする

ワン・カイは本当にがんばった!!大阪がだめだと成り立たないオペラだからだ。健闘をたたえたい。


他にも第1幕には人形劇に踊り子と見ごたえたっぷり。

イリスの父、チェーコ役のハオ・ジョンもいい味を出していた。

字幕が工夫されていておもしろい。
大阪や京都のところは関西弁になっていたり、
大阪がイリスに狙いを定めたところは「俺 萌えた 有頂天」とかww

ラストでは、こんなサプライズ演出があった。

東京芸術劇場大ホールのステージ裏はこうなっている。
上演中に開かれたのはおそらくはじめて。


舞台装置というわけでもないし、終演後だからいいかな、と思って撮ってしまいました。
問題がありましたら、芸術劇場関係者の方ご指摘ください。


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そうはいっても、確かにストーリー展開や設定に無理がありますね。
幻想物語だと思って鑑賞しました。

マスカーニの音楽が本当に美しく、CDを買おうかどうか検討中です。

太陽の賛歌はこちらで見られます。

http://www.youtube.com/watch?v=_xxi2odtpaI

本業が忙しく、更新が滞ってしまい申し訳ありません。

1/8(土)深夜にNHKBS-hiで放映されたミラノ・スカラ座の番組をようやく録画で観ました。

永竹先生によるスカラ座や『ワルキューレ』の解説を興味深く拝見しました。

バレンボイムのワーグナーはとてもオーソドックスなのですが、どうも深みというか毒がないような気がします。決して悪い演奏ではないのですが。

舞台はCGの技術を駆使したもので、特にワーグナーの演出ではこれから増えていくでしょう。下手に抽象度が高すぎたり、現代風の読み換えをするよりもずっと良いと思っています。

BS2で1/16(日)深夜に再放送があります。

また、1/17(月)から4夜連続でNHKBS-hiでミラノ・スカラ座特集がありますね。

http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/68787.html

◆1月17日(月)午後10:00~午前0:50

歌劇「ランスへの旅」(ロッシーニ)


《出演》
・コリンナ(ローマの女流詩人) / パトリツィア・チオーフィ

・メリベーア侯爵夫人(イタリアの将軍の寡婦) / ダニエラ・バルチェルローナ

・フォルヴィル伯爵夫人(若い寡婦) / アニーク・マッシス

・コルテーゼ夫人(金のユリ亭の所有者) / カルメラ・レミージョ

・シドニー卿(イギリスの軍人) / アラステア・マイルス

《合唱》
 ミラノ・スカラ座合唱団

《管弦楽》
 ミラノ・スカラ座管弦楽団

《指揮》
 オッターヴィオ・ダントーネ

《演出》
 ルカ・ロンコーニ

収録:2009年4月ミラノ・スカラ座

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◆1月18日(火)午後10:00~午前1:30

歌劇「ドン・カルロ」(ヴェルディ)


《出演》
・フィリッポ二世 / フェルッチョ・フルラネット

・ドン・カルロ / ステュアート・ニール

・ロドリーゴ / ダリボール・イェニス

・エリザベッタ / フィオレンツァ・チェドリンス

・エボリ公女 / ドローラ・ザジック

《合唱》
 ミラノ・スカラ座合唱団

《管弦楽》
 ミラノ・スカラ座管弦楽団

《指揮》
 ダニエレ・ガッティ

《演出》
 ステファヌ・ブロンシュウェグ

収録:2008年12月ミラノ・スカラ座

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◆1月19日(水)午後10:00~午前0:25

歌劇「マリア・ストゥアルダ」(ドニゼッティ)


《出演》
・イングランドの女王 エリザベッタ / アンナ・カテリーナ・アントナッチ

・スコットランドの女王 マリア・ストゥアルダ / マリエルラ・デヴィーア

・レスター伯爵ロベルト / フランチェスコ・メーリ

《演出・美術・衣装》
 ピエール・ルイージ・ピッツィ

《指揮》
 アントニーノ・フォリアーニ

《合唱》
 ミラノ・スカラ座合唱団

《管弦楽》
 ミラノ・スカラ座管弦楽団

収録:2008年1月ミラノ・スカラ座

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◆1月20日(木)午後10:00~午前0:40

歌劇「アイーダ」(ヴェルディ)※日本公演


《出演》
・アムネリス / エカテリーナ・グバノワ

・アイーダ / ヴィオレータ・ウルマーナ

・ラメダス / ヨハン・ボータ

・アモナズロ / ホアン・ポンス

《合唱》
 ミラノ・スカラ座合唱団

《管弦楽》
 ミラノ・スカラ座管弦楽団

《バレエ》
 ミラノ・スカラ座バレエ団

《指揮》
 ダニエル・バレンボイム

《演出》
 フランコ・ゼッフィレッリ

収録:2009年9月NHKホール


個人的には『ランスへの旅』と『マリア・ストゥアルダ』がとても楽しみです。
先日自分の出身合唱団の定期演奏会に7年ぶりに行ってきました。
普段は出入りしていないので知っている人はだれもいないが、
30年以上指導していただいた恩師が亡くなり、新体制が発足したということもあり
(そしてラッキーなことに偶然休みと重なったので)行ってきました。

時が経過し、変わることもあれば変わらないこともあります。
技術的にどうこうということを言ったらキリがありませんが、
音楽は「技術だけではない」ということを思い知りました。

音楽に対する純粋な「思い」が人の心を打つのです。

プロなら3日リハーサルをして迎える本番を
アマチュアは3カ月も4カ月も練習をして、時には朝から晩まで練習したり
暗譜できなくて苦しんだり、指導者に散々絞られたり、と。

ちょうど自分の教え子たちの世代に当たる団員たちが
自分もかつてうたっていたレパートリーを歌い継いでいてくれることにも
感動しました。

来年は自分も舞台に立とうと思います。

歌劇 「アイーダ」 (ヴェルディ)


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《出演》

アイーダ:ヴィオレータ・ウルマーナ
アムネリス:ドローラ・ザージック

ラダメス:ヨハン・ボータ

アモナズロ:カルロ・グエルフィ

ランフィス:ロベルト・スカンディウッツィ

ほか


《バレエ》
 メトロポリタン歌劇場バレエ

《合唱》
 メトロポリタン歌劇場合唱団

《管弦楽》
 メトロポリタン歌劇場管弦楽団

《指揮》
 ダニエレ・ガッティ

《演出》
 ソニヤ・フリゼル


収録:2009年10月24日 メトロポリタン歌劇場


一昨日BShiで放映された録画を見た。


歌手は悪くはないがやや大味な人が多いという印象。

ウルマーナは高音に難。
第3幕はアリアも2重唱も叫ぶように出した。

ボータはポルタメントを多用しすぎる点を除いてこれいった欠点はないのだが
なぜか魅力を感じない。
アクートを張ってもありがたみを感じない。
声そのものも悪くはないし、テクニックもある。
例えば「清きアイーダ」のラストのディミヌエンドなども見事なのだが。

グエルフィがやや地味ながらも好演。

ザージックがいつもどおり凄い。
ウィキペディア によると1952年生まれということなので2009年の段階で57歳!
アムネリスはこれまで250回以上歌っているという。

幕間のインタビューで長く歌っている秘訣は、の問いに
「運がよかった」と答えた。
自分の声(ドラマティコ)にあったいい先生に出会えたから
今も歌うことができる、という。
コンクールばかりで、良い師に出会えないまま仕事をしている歌手は多いのかもしれない。

ガッティの指揮が予想外に重たい。特に「任命の場」や「凱旋の場」の中間部。
ヴェルディは重くなればなるほど魅力から遠ざかってしまう。

ヴェルディはいいメロディが多いが、その美しい旋律を全部たっぷり歌ってしまうと
ヴェルディの音楽ではなくなってしまう
きれいなメロディをあえて早めのテンポで勇ましくやるからヴェルディになるのだ
これは故高田先生から教わったことの1つである。

その高田先生の指摘は実に鋭く感銘を受けたのを今でも覚えている。
サンティやオーレンのヴェルディが素晴らしいのは、
彼らもその点をよく承知しているからである

音楽が進んでいくうちに、なんでガッティの指揮が重いのか、その原因がわかった
わかっている指揮者はコントラストをつけるためにテンポを早めるところで
ガッティは逆にテンポを落としてしまうのだ

もともと遅い指定のところでもやり過ぎが目立つ。
例えば『アイーダ』第4幕第1場アムネリスの場面の後奏が
遅くて重くてしょうがない。
まるでリングの巨人族たちの主題のようだ。 

『アイーダ』『オテッロ』『ファルスタッフ』は指揮者がよくないと感動には至らない
いい曲だね~のレベルで終わってしまう。

歌手の質だけで言えば、先日放映されたN響『アイーダ』の何倍も上なのに、
感動しなかったのはひとえに指揮者が原因である。

と同時にやはりサンティは只者ではない、と再認識した次第である。