マスコミを賑わせた芥川賞作家

田中慎弥氏の作品 共喰い を読み終えて。



脳で臭いを感じる作品であった。それも強烈にまとわりつく類いの。

あるテリトリーで生活を営む動物の様でもある登場人物たち。



ストーリーの中盤で結末が想像できてしまい、そういった意味での新鮮さは微塵もなく

肩すかしではあったが、そうなるはずである、という期待に沿っていったのは作家の手腕か。



登場人物が、父親に抱く感情に近いものを、私も10代の頃に感じていた。

過去に記憶がスライドさせられてしまい

気持ちの良いものではなかったが…



特徴的で細やかな描写がこの作品の柱となっている。

性についても食についてもである。

この世界感は作品の主軸にあるとも言えるのだが。

あくまでも主観です。



細かい点では「」の使いかたに注目させられた。

言葉には「」が使われているのだが、言葉が単なる騒音に感じる類いでは「」がない。

それにより意図が伝わり私には少しだけ新鮮であった。


全て読み終え、純文学とはなんぞや?という疑問を残しましたが…

田中さん 教えて下さい(笑)