国東半島に伝わる伝統の火祭り「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」(国指定重要無形民俗文化財)が16日夜、国東市の岩戸寺と豊後高田市の天念寺であった。六郷満山を開いた仁聞菩薩(にんもんぼさつ)が養老年間(717~724)に始めたとされる伝統行事。仏の化身の鬼たちがたいまつを手に荒々しく駆け回り、寺は深夜まで参拝客でにぎわった。
岩戸寺では夕闇が迫るころ、タイレシ(鬼の介添え役)を務める住民が滝つぼで身を清めた後、4本の大たいまつに点火。参道に立てて一帯を幻想的な光で包み込んだ。
講堂では、香水(こうずい)棒を持った僧2人が「香水の舞」や、鈴鬼面を着けた優雅な「鈴鬼の舞」を披露。福をもたらす災払(さいはらい)鬼、鎮(しずめ)鬼が現れると祭りはクライマックスに。
たいまつを振り回して秘事を繰り返した後、参拝者を囲んで背中や頭をたたき、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈った。鬼は寺を飛び出し、未明まで地区の家々を回った。
天念寺では、午後3時ごろから天台宗の僧侶が読経を始めた。鬼と介錯(かいしゃく)役の僧が寺前にある川中不動そばの川で身を清め、長さ5メートルの大たいまつ3本に点火。燃え盛る炎が講堂周辺を照らす中、夜の勤行が幕を開けた。
講堂内では僧が伝統的な法舞や読経を続けた。多くの見物客が集まった深夜、神仏が姿を変えたとされる災払鬼(赤鬼)と荒鬼(黒鬼)が登場。たいまつを荒々しく振り回して火の粉を飛び散らすと、講堂内の熱気は最高潮に。
煙が充満する中、鬼が縁起物の餅を威勢よくまき、たいまつで見物客の背中や尻などをたたいて無病息災を祈った。
出典:大分合同新聞