雨の夕暮れ
仕事帰りに覗く店先
今日も何もないよなぁ・・・と
つぶやきながら。
食パン、牛乳、納豆
お米、小麦粉、お菓子までも・・・。
口にできるものたちは
姿かたちもありません。
今夜は何を作ろうか。
米飯は入荷しているんだ。
けど、お弁当には 手が伸びない。
冷たい雨が降り続いた いち日。
何かあたたかいものを口にしたい。
お野菜とお豆を活用すれば
具沢山のスープができるかな。
・。:゚ ゚:。・
「あのぉ、すみません・・・」
ふりむくと
ちいさなふたり組みが。
おねえちゃんと 弟くんかな?
「あのぉ、
ちょっとしりたいんですけど
これは “ぎゅうにゅう”ですか?」
雨に濡れたちいさな手に
“低脂肪乳”をそれぞれ抱えている。
「えーと、それはね
“ていしぼうにゅう”といって
牛乳とはちょっと違うと思うよ。
おつかい頼まれたの?」
「はい。
ママに“ぎゅうにゅう”を
2ほんかってくるようにいわれたんです。」
薄荷色のレインコートは
きっと姉弟おそろいなのでしょう。
弟くんの腕に抱えられた紙パックが
とても重そうに見えました。
「そっか。
牛乳とほとんど同じ味だけど
ちょっと薄い味かもしれないよ。」
(低カロリーって説明してもわからないだろうなぁ)
「ママは牛乳を何に使うのかな?
お菓子を作るのに使うのなら
低脂肪だと固まり難いこともあるからねぇ。」
「あのね。
もうひとり おうちにいもうとがいるの。
でね、そのこが のむの。
いっぱいのむの。」
「いっぱい、いぃっぱーい!」
弟くんは なんだか嬉しそうでした。
洋デイリーの売り場を一緒に見に行くと
牛乳はとうに売り切れ。
低脂肪乳も、
その姉弟が持っている分が最後のようでした。
「おねーさん!
アタシ、いいことかんがえた!
ママが“ぎゅうにゅう”っていっていたから
きょうは いっぽんだけにする!」
「そしたら
ほかのひとも あといっぽんかえるよね?」
「・・・・。」
まひは言葉を失いました。
まだこんなにも幼い子らが
譲り合う気持ちを持っているなんて!
・。:゚ ゚:。・
一緒にレジでお会計を済ませ、
上階ので入り口のところで
バイバイと手を振り合いました。
レジ袋をふたりで互いに持ち、
雨の夕暮れに消える薄荷色のレインコート
ちいさな歩幅は
なんだかとても頼もしく見えました。

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