昨日はカマスが釣れていると言う情報を長男が聞きつけ、カマス釣りへ行く事へ。
ポイント近くの釣具屋へ入り情報収集と道具の調達。
田舎にある小さな釣具屋は地元の常連さんが溜まっている場合が多いので一見入り辛いのだが、中へ溶け込めれば様々情報が得られる。
釣具屋の店主と常連さんの話ではカマスが釣れている場所は一つしか無いのだが、夥しい数のカマスが入っているらしい。そのポイントはものすごく狭い港で、そこへ凄い数の釣り人がいるとの事。
釣り方を聴いた所、引っ掛けで釣るらしい。その時点で行くのをやめようかと思ったが、長男がどうしてもカマスを釣りたいとの事と、せっかく色々教えていただいたので、店主手作りの仕掛けを購入して釣り場へ向かった。
現地へ着いて先ず驚いたのは釣り人の数だ。狭い漁港にビッシリ人が入っていた。聴く話によると深夜1時から2時を除いて常に人がビッシリらしい。
釣りを出来る場所が有るかどうか微妙だったが、唯一一箇所だけ入る事が出来る場所があったので、早速釣りを開始した。
最初の一投目からカマスが引っ掛かって来たので、釣竿を長男に渡して釣り上げさせた。上がって来たカマスのサイズが小さかったので針先を持ち素早くリリース。
周りを見廻すと彼方此方と竿が曲がりカマスがつりあげられている。小さかろうと大きかろうとお構いなしでひたすら釣ってはクーラーボックスへ入れている。堤防の脇では釣り終わった釣り人がせっせと魚を捌いていたが、数が余りにも多すぎもう嫌だと愚痴をこぼしながら捌いていた。それならある程度釣って辞めれば良い話なのだが。
世界各国釣竿を持ち歩いて思う事があるのだが、アジア人は釣竿を持って居るとこう話しかけてくる「何が釣れるのか?美味しいのか?持って帰るのか?」大体食べる話に行き着くのだ。欧米人との会話では食べる話になる事は無い。「グッドファイターか?引きは強いのか?」とゲーム性の話がメインになる事が多い。
欧米の釣り場では漁師も釣り人もライセンスを取得してそのルールを守らなければならない。ドイツでは釣りをするのにテストを受けなくてならない程だ。故に良い環境の釣り場が多い。乱獲する釣り人や漁師は少ないし、ルールを破れば逮捕され罰金か刑務所送りになる。
釣り人や漁師自身が分別を持って捕獲する量や時期を守る事が出来れば良いのだが、そうはいかないようである。自分たちが食べる分だけでは気が済まず乱獲に次ぐ乱獲をするのだ。
恐らく後数年でカマスは釣れなくなるだろう。現に年々釣れなくなっているらしい。メバルもメバリングが流行り始め数年で数、型共に劇的に下がったし、アオリイカも激減した。最近では大型のアジ、サバの漁獲量が激減し、漁師達は鰤の養殖に収入源をシフトしようとしている。
本来なら政府や水産庁がしっかり本腰を入れて水産資源保護を行わなければならないのであろうが、この国では上に頼る事は全く期待できない。故に釣り人と言う最小単位の個人個人が我々を取り巻く海や川の保全に各々が考え、取り組む時代が来ている様に思う。