もっとお寄りなさい。もっと!もっとよ!
この毛穴の凹感、ホクロの凸感をごらん。
奇跡の透明感を盲目的に有難がるオレたちに

彼女が突きつけた真実の鏡。時をかけた淑女にも
ハイビジョンの裁き。
いつかはエイジングと決着せねばならない。スタッフは
怯んだろ?「監督!これ以上寄ると地球が滅亡します!」
やむを得ん…あとから少しボカすか…
本当の原田知世時代が音を立ててやって来た。オレたちは
アポロに乗り込んで、彼女の月面に降り立ち闊歩した。
ドラマのほうの『紙の月』。

38万キロの旅を終えてオレたちはアームストロングに
コリンズに、オルドリンになった。バズ・オルドリン。
鷲は舞い降りた。

これは原田知世にとっては小さな一歩だが、
オレたち男子にとっては偉大な飛躍である。