おはようございます晴れ 。

今日も朝から晴れていますが、気温が挙がらない1日だとか。

暖かくして過ごしたいですね。



先日・・・マダム Mさんと 東欧三昧な1日を過ごして

まいりました。


まずは映画編から、です。


映画 「鉄くず拾いのものがたり」


去年から観たいと思っていた映画。

東京では1月から公開。

マダム Mさんとは去年末に観たロシア映画以来の

映画鑑賞でしたね。


ボスニア・ヘルツゴヴィナで実際にあったことを映画化。

ベルリン国際映画祭では三冠に輝いたそうです。


あまりネタ・バレにならない程度の書き方で紹介だけ。



物語はヨーロッパの辺境、極貧地区で実際に暮らす

ロマの人たちにスポットライトを当てて、本当に

淡々と描き、進行していきます。

派手な演出も、感動を盛り上げるような素敵なBGMも

何もありません。

ただただ、家庭用ビデオでも撮るような目線である一家に

起こった出来事を追っていくのです。

主役の二人は実際の二人。


この一家に「事件」が起こるのですが、主人公たちは

わめくでもなく、人を巻き込むでもなく・・・。

大事(おおごと)なのに、どうするすべもなくただただ

困惑するだけ。 

観ていて何とかしてあげたい、ぐらい・・ですが。

これがロマの現実。


私は病院でのシーンがとても生々しく感じました。

監督は手持ちカメラで一家の様子を追ったようですが、

言葉では描かれないけれど、「目線」として明らかに

差別が感じられる描かれ方。 こういう現実をこの監督は

見る人たちに訴えたかったのだと思いました。


最後は解決策を見出しますが・・・

私たちがぬくぬくと暮らす日本では絶対にありえないような

方法で・・。 こうまでしないとならないのか・・・。


本当に淡々としたホーム・ムービーのような作品ですが、

現実は冷たく、周りの視線もまた冷たく、どこまで

この家族に残酷なのか・・。

そんな中、屈託のない子供達の笑顔に「未来」が開けて

くるといいな、という思いと、またこの国の教育制度が

どういうことになっているのか分かりませんが、

もしかしたら「カエルの子はカエル」なのかな、という

将来に対する不安のようなものも抱いて観ました。


私も実際にヨーロッパでロマ族の人を目にしたことは

ありますが、はたで見るだけでは・・・そこで暮らす人

にしか分からない現実問題が山積していることと思います。


この演技が評価されて、主役のナジフさんは主演男優賞を

得て、定職にも就けたそうですが・・・

最近、彼はドイツで難民申請を却下されたそうですね。

(Tagesspiegel紙)


この現実を知って欲しいという監督の政治的なメッセージが

強く込められている作品と感じ、見終わってからじわじわ

来る、と言いますか。 観たあとになってさまざまなことを

考えさせられる作品です。

多くの方にご覧になって頂きたい作品と思いました。



マダム Mさん、ご一緒していただき、色々語り合えて

楽しかったです。

また東欧作品、今年もいろいろと鑑賞しましょうね!


「東欧三昧」・・・このあとも続きます。

別記事にて。



今日もお付き合い頂き、ありがとうございました。

良い1日を音譜 。


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