なんどもめぐる新しい春・・・ 「魔女の宅急便」に心おどらせた子どもが おとなになってます!

季節は春、そして満月の晩というから、ちょうどきのうの夜くらいだろうか。
13歳の魔女キキが知らない町へと旅立つ日が近づく。
周りの心配をよそに、キキは元気に言う。
「贈りもののふたをあけるときみたいにわくわくしてるわ」
児童文学者、角野(かどの)栄子さんの『魔女の宅急便』である。
ほうきで飛ぶ魔法を使い、新天地で小さな宅急便矢を始める物語は、各国で読まれている。
角野さんは先週、「国際アンデルセン賞」の作家賞に選ばれた。
アニメ映画でご存じの方もおられよう。製作に関わった鈴木敏夫さんは作品を読んだ時、読者はむしろ若い女性ではないかと感じた。「田舎から都会に出てきて働く女性たちのことを描いた本」だと思ったと取材で述べている。
忙しそうに歩く人を見て、理由もなくおびえる。
アニメ映画でご存じの方もおられよう。製作に関わった鈴木敏夫さんは作品を読んだ時、読者はむしろ若い女性ではないかと感じた。「田舎から都会に出てきて働く女性たちのことを描いた本」だと思ったと取材で述べている。
忙しそうに歩く人を見て、理由もなくおびえる。
町のなにもかもが知らんぷりした顔で動いているように見え、なじめない。
「こんなことじゃいけない。何かあたしにできるものを見つけなくちゃ」。
キキの焦りは、痛々しくもまぶしくもある。
就職や進学で新天地に赴く。
必要なのは、小さな魔法の力かもしれない。怖がらずに話しかけられる魔法。
寂しいときにもめげない魔法。
ひとりの時間を大切にできる魔法……。新生活の助けになってくれれば。
読んでいてキキの両親に目が行くのは我が年齢のせいか。厳しく励ます母親、
「うまくいかなかったら帰ってきてもいいんだよ」と言う父親。
日本のあちこちにキキとその親たちがいる。
4月がまた巡ってきた。