週に2回、イスラエル側でヘブライ語の語学学校に通っています。
仕事が8〜16時で、授業は17時半〜20時半の3時間。
Hillel Streetから一本入った、西エルサレムの繁華街の近くにある、
Ulpan Milahという学校です。


(9年ぶりに触った、初級の教科書。もうすっかり忘れかけていました…。)

どうしてヘブライ語を勉強するのか、という理由はさて置き、
授業の話をするならば、クラスメイトのほぼ8割はパレスチナ人です。
先生はもちろんイスラエル人(そして男性)。
そんな中でアジア人、かつアラビア語でヒソヒソ周りと話している私は
NGO職員であることもアラビストであることも既に周知済みですが、
多分ちょっと浮いています。


先生はおそらく私より若いんじゃないかと思われる、映画マニアの男性ですが、
彼の反応が「微妙だなぁ!」と思った局面も何度かあり、
微妙な緊張関係を勝手に感じています。

例えば既婚/独身という単語を習ったとき。

先生:「マイ、あなたは既婚ですか?」
なみ:「はい」
先生:「……既婚ですか?」
なみ:「3年前に結婚しました」
先生:「……。」←びっくりした顔で沈黙


なんですかその沈黙!

沈黙のまま次の人に質問が回りました。
せめて何かジョークでも言ってください!笑



更に彼が反応に困っていたのは欠席予定を伝えたときで、

なみ:「先生、わたし今週と来週は授業に来ません」
先生:「あー、どこかに旅行でもするんだね?」
なみ:「はい、ラーマッラーとガザに」
先生:「え?」
なみ:「ラーマッラーとガザです」
先生:「……。」←凍ってる


扱いづらい生徒ですみませんね。



そんなんでも、2週間のブランクを経て久々に出席したら、
先生が授業中にガザの話を聞いてきました。

先生:「ガザにはどれくらい行くの?」
なみ:「月に2回くらいです」
先生:「何日くらい行くのかな?」
なみ:「だいたい3日です」
先生:「ガザで寝てるってこと?」
なみ:「そうです。パレスチナ人との仕事で」


先生:「…そう。それは大事な仕事だよ」



フツーのイスラエル人であるように見える彼の口からぽろっと出た
そんな言葉を聞いて、
「そういえばこの人の仕事相手の8割はパレスチナ人なのだった」
ということを改めて思い出しました。

本来、多くのヘブライ語教室では政治絡みの議論が
暗黙の了解で御法度になっていて、
ムスリムやモスクという単語は出れど、
西岸だガザだパレスチナだなんて単語が、初級の授業で出てきたことはありません。

それでも授業でそれらに触れた先生を見て、
「きっと、いろいろと生徒にも考えさせられてきたんだろうな」と
これまた勝手に想像する私なのでした。

うーん、もうちょっと彼とも話せるようになりたいな。
授業は残り3週間。勉強をもうちょっと頑張って攻めたい(?)と思います。