日曜日の夜、下北沢の珈琲屋さんでブラックコーヒーを飲みながら
オレンジ色の電灯のした、ぼーっと考えた。


子育てって、親の仕事って、正解がない、のよね?
子ども一人一人の取り扱い説明書があるわけでもないし、
いつだって多分、「これで良かったのかしら?」って悩むのね。

そして、「良かったんだよ」って言ってくれるひとは、多分案外多くない。
自分のやってきたことをきちんと評価してくれる誰かは、そんなにいないんじゃないかと思う。
ホントは一番評価してほしい相手、子どもは、そんな余裕を持たない。


* * *

私、昔「どうして感謝してくれないの!」って怒ったことがある。母に。
我が家は家事が子どもの仕事の一つでもあったから、
ご飯を食べた後に食器を洗ったり、お風呂洗ったり洗濯物たたんだり、
そういうのをやるのが、私も妹も、当たり前に求められてた。

面倒で嫌だったんだけど、
せめて終わった後に「ありがとう」の一言を母から聞きたいと思ってた。
まだ、自分のやってることを「手伝い」だと思ってたんだよね。
どっぷり甘えてた。

でも、ケンカしてから暫く経って、自分で思い直してた。
私、いつも母に「ありがとう」って言ってなかった。
一緒に暮らして、いろいろ「分担して」生活しているはずなのに、
母の払っていた犠牲が、試行錯誤の苦しさが、見えてなかったよ。

* * *


子どもが感謝を求めるんだったら、親だって求めていいでしょ?
誰だって、仕事したら、認められたいでしょ?
大きくて責任の重いこと引き受けたら、
それが自分の望んだことだったとしても、たまには褒められたい。私はそう。






まだ他人だから、お義父さんお義母さんには、ちゃんと言える。
褒めるとか、評価するとか、そんな偉そうなことじゃないけれど、
二人が重ねてきたすごい努力に感謝することができる。

お宅の長男、ちゃんと素敵な人に育ってますよ、って。
やんちゃだけれど、誰かの痛みが分かったり、誰かを守ろうと頑張ったり、
そういうバランスの取れた人に育ってますよ、って。

きっと良いことばかりでは無かったはずだし、
抱えた辛くて消えない傷もあるかもしれないけれど、
それも含めて彼は良い味が出てるんです。私にとっては。
だから、お義父さんお義母さんのしてきた子育てに、私は感謝します、
今のところはね!笑 って、茶化しながらも伝えてみたりして。


自分の相手も、私の両親に対してそう思ってくれていたら素敵だなと思う。
私自身は照れくさくて、まだ自分の両親には言えないことを。


そして、親族向けに結婚式をする意味を、やっと噛み締めはじめた今日この頃です。
皆の前で、勇気を出して、ちゃんと伝えなきゃいけないことが沢山あった。