性に翻弄されない人生なのかなって最近つくづく思う。

私自身、そこまで堅物では無くて、
寧ろ愛している相手に求められれば喜んで応じるし、自ら相手に求める事もする。

性に関しては、本能に従いたいと考えている。
セックスにエロは必要不可欠で、時に、快楽の為に求め合うことも悪くない。いや、全然ありだと思う。

ところが、私の人生での経験というものは23歳にしながら両手で数えられるくらいのものでしかない。初体験も22歳と平均より遅く、「意外とピュアなんだね。」と外見との不一致からかそう言われることも少なくない。
 
元彼は、盛りのついた年齢だったから、会えば外ですら手を出してくるような、気持ちの良いくらい性欲に正直な人だった為、そういった面での問題は感じなかった。ただ、お互いに時間が合わず、長期間の交際にはならなかった。

で、今の彼氏なのだが、ここ約1ヶ月していない。付き合い始めて4ヶ月が経つ。早くも日本で問題となっているセックスレスというものがついに、私の所にもやってきたのかななんて考えて、様々な要因を検索してみてはアレかなコレかなと1人悩む。デート前なんて、会える事に喜びを感じた瞬間に、また終電で帰されるのかなと感情が旧直下する事がよくある。
外泊するかもしれないから、その都度、最低限の化粧品や歯ブラシ、香水を持っていくのだが、毎回ただバッグのスペースを占領するだけで終わる。
相手の年齢が一回り上で、この対応をされると、EDなのかとか、私に対して若しくは彼自身に何か問題があるのかとか。そして、それは聞いていい事なのかとか…あまり付き合った経験がないので正直、性の問題の知識箱が少なくて困ってしまう。
昨日、彼が2週間の出張に出る前にデートをした。流石に、今夜は…と期待して、それでも、「今夜は残業続きで睡眠不足だから帰宅したら死んだように寝るだろうな。」なんて言い出すから、「帰っちゃうの?」なんて、おきまりのセリフを真剣な顔して言っちゃった。
当たり前だけど、やっぱり有耶無耶にしちゃいけないのが性の問題で、聞ける時に聞いとかなきゃとここはおどけずにいった。
返ってきたのは、婚前交渉の話。
つまりは、宗教的に結婚前の性行為に抵抗があるとの事だった。彼は、クリスチャンで、毎週ミサに行くほどの信仰者では無いものの、やはり宗教色というものは私の仏教信仰よりは、日常に根付いていて、人生の軸はカトリックなのだと感じる。まさか、宗教が性生活に大きく関わってくるなんてこれっぽっちも脳内に無かった。だって、日本のレス問題にそんなの見たこと無かったもの。それに、私の同級生は大半がまだ独身だし、20代なんて欲に翻弄されているような、ましてやヨーロッパなんて日本よりも盛んであっちこっちでせっせと勤しんでいるわけで。
と、自分の人生に宗教関連の文化の違いがこんなにも入り込んでくるなんて夢にも思わなかった。23歳とは、やはりまだまだ未熟。
と、私は「じゃあ、今夜どころか結婚するまでセックス?いや夜隣で寝る事さえ出来ないのか?」とすぐさま考えて不意に涙がこぼれた。我ながら、男子大学生の性欲みたいだなぁと思ったが、女性だってやっぱり求める時は求めるのだ。彼が、お付き合い当初から、一緒に過ごせるために家族に相談すると言っていた意味がようやくこの時点で分かった。
私は、ただ、同居している彼の姉に、いい感じに部屋を開けてほしいとかそういった相談なのかと思っていたがもっと大きな相談だったと。

うーん、婚前交渉に抵抗があるのなら、なぜ最初に誘ってきたのだろうか。そして、なぜその後言わずに数回行為に至ったのか。

結婚の話は遂に、この時点で私達の議題に挙がったのだけれど、別に正式なプロポーズをされたわけでもなく婚約をしたわけでもないので、
正直、先行きが見えなくてただ不安。
だって、この先、体を重ねるのは早くて1年後とかでしょ。あんなにキスやハグをしてくれても、愛し合う事で得られる安らぎは、近くにあって遠いものだと思うと切ない。かといって、他の人とするのは道理に反するし、したいとも思わない。結婚後も、レスになるかもしれないし、それこそ宗教を理由にされたら敵わない。
恋愛は、相手を取り止めておく事やすれ違いだったり、どこまで自分の意見を言うべきかとか、相手の気持ちはどうなのかとか、そうした事が辛いと思っていたのだが、自分自身の感情の揺れ動きや本音との葛藤も辛いのだと知ったこの頃。