先月は、カフェインが体の中でどのように働くかについてお伝えしました。今月は、妊娠中のカフェインの影響についてご紹介します。

 

 WHOが2016年に発表した勧告によれば、妊娠中は、母親の血液からのカフェインの代謝(消失)が著しく遅くなり体内に留まりやすく、そのため、カフェインを摂りすぎることによる胎児への影響が示唆されています。具体的には、胎児の成長遅延、出生児の低体重などと関連するという可能性です。一日のカフェイン摂取量が 300 mg を超える妊婦に対しては、流産や新生児の低体重リスクを低減するために、妊娠中はカフェイン摂取量を制限するように注意喚起しています。

 

 妊婦に影響のないカフェインの最大摂取量は、WHOとカナダ保健省は300mg/日、欧州食品安全機関(EFSA)は200mg/日としています。コーヒー100mlに含まれるカフェインは約60mgなので、200mlのカップだと、カフェイン200mg/日~300mg/日は、一日1.6~2.5杯が相当します。

 せん茶やウーロン茶に含まれるカフェインの量は、100mlあたり約20mgです。

 

 なお、カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しく、カフェインの一日摂取許容量(ADI)は、日本においても国際的にも設定されていません。

 

 カフェインを適量摂取すると、頭がすっきりし、眠気を覚ます効果があります。しかし、カフェインを過剰に摂取すると、体への有害な影響が現れ、重篤な場合は死亡することもあります。妊娠中の方は、生まれてくる赤ちゃんのためにも、十分な栄養と睡眠をとるよう心がけてください。

 

※【カフェインを知ろう】は、原則第3金曜日にお伝えします。

 

(参考)カフェインの詳しい情報を知ることができます。

食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」

http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf