いよいよ、新学期となりました。4月を迎えると何か今までのことが一新されるような気持ちになることもあります。ぜひ、前向きな気持ちが新しい一歩となることを期待します。

そんな中ですが、相談内容は、本当に「あるある」のよく耳にする相談です。こういった学校や担任への気持ちは結構あるのではないかと推察しています。

(小学4年 男児の母親から)
今年の先生は、子どもが不登校になったのは自分が担任をする前からという気持ちがあるのだと思う。だから電話も訪問もないのだと思う。

(小学6年 女児の母親から)
子どもの代わりに提出物を持って、職員室のドアの前で担任を待っていた。1時間目の授業に出ていく先生が次々に私のすぐ前をサッーと通っていった。誰も、誰ひとりとして私に声をかけなかった。冷たいと思った。自分の職場ではよそから来た人に対してああいう態度はあり得ない。

(中学2年女子の母親から)
スクールカウンセラーと面談があって学校に行ってきた。子どもは行けなかった。面談する部屋に行く時と帰る時、前担任や管理職の先生とすれ違った。誰も何も声をかけてくれないのは、うちの子が不登校だからですか?

 

 相談に関しては、お母さんがそういう気持ちになることは理解できます。得てして、担任の心理として自分が担任の時、そうでない時の責任感?は違うと思います。だからといって支援なしはあり得ません。また、誰も「あいさつなし」も、その現場の状況が分からないので一概に言えませんが、社会人として、人としてのレベルでいかがなものかという話です。

 不登校の子どもをめぐって、保護者は学校に問題があり、さらに配慮が足りないと感じ、学校側は家庭に問題があるととらえている場合、対立関係に陥りがちです。ただ、対立関係になることは、子どもにとってマイナスでしかありません。

 お子さんが学校に行っていないことは、お母さんにとっては、いろいろな面で負い目を感じているかもしれません。上記の相談は、その気持ちの表われかとも思います。なかなかむずかしいですが、お母さんだけでも学校にどんどん訪れ、関係づくりに努めることがいろいろな面で重要かと思います。けっして、不登校の子の親だからあいさつや会話しないということはないと思います。

 もしかしたら、先生方もはじめの一言だけが出ないのかなとも推察します。そこで、お母さんが百歩譲って、「先生、どうしたら良いでしょうか?」などと、一言発すれば、逆に長話にも…。

『不登校の9割は親が解決できる』という本に「学校が変わるのを待つより自分が変わった方が早い」という一節があります。学校関係者が聞いたら…ですが、一理あると思います。私の基本姿勢は、「大人が変われば、子どもは変わる」です。

 以前は、クラスに一人と言われていた不登校が、現在はクラスに二人平均となっているようです。私が訪問している中学校のあるクラスでは不登校傾向の生徒を含め、10名の生徒が何らかの支援が必要とのことです。正直、担任の先生一人では対応できないと考えます。つまり、「居場所」作りができれば、OK。適応指導教室やフリースクールに関わってくれるだけで、学校としてはOKなのです。

 お母さんも受け身にならず、学校には担任の先生以外に不登校対応の先生がたくさんいます。まずは、担任の先生を窓口に、担任との関わりが厳しい場合には教頭先生に連絡し、いろいろな先生方とお話しすることで、見えてくることもあるかと思います。

「学校が、担任がこうしてくれれば…」という思いがあるかと思います。そして、そういった言葉かけをお子さんにしているかもしれません。ただ、その言葉かけからは、問題の解決には繋がりません。実際に、学校や先生に問題がある場合もあるかと思いますが、まず、自分が動いて違った視点で変わってみるようにすると、お子さんも同じ視点になってくれると思います。
                                                                           


    お母さんの努力と愛情にエールを送ります!!


 最後まで、読んでいただきありがとうございました。読者の皆様がこの記事から何かしらのヒントや情報を得てくださり、少しでもお役に立てれば幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。
 

 いよいよ、新学期を迎えます。不登校に関する支援もこの時期、活発になります。今回の相談内容は、あまり事例として、あげられることはありませんが、この悩みを抱えている親子は結構いるのではないかと推察しています。


(中学1年女子の母親から)

  先生はうちの子に、不登校の同級生に「手紙を渡してね」とか「電話してくれる?」とよく頼む。仲の良い子だし、イヤじゃないのだけれど、子どもだから遊んでいて忘れることもある。先生に頼まれたことができなかった日、子どもはそれを気にして2回学校を休んだ。うちの子まで不登校になったらどうしよう。

 

 

 今回のように、不登校支援において「友だち」の協力は、かなり重要であり、なくてはならないものです。登校したり、教室に入ったりする時に必ず必要になるのが「友だち」です。クラス替えのときも「この子と同じクラスしてほしい」と要望をしたりするかと思います。

 ただ、視点を変えるとどうでしょうか。指名された友だちは仲良しであるのでうれしい気持ちはあるかと思います。時には、学級委員だからという理由で支援を依頼される場合もあります。これはこれで、責任感から頑張ることと思います。
 このように、協力することに表現は悪いですが、「優越感」を持つこともあるかと思います。ただ、それがどれくらい継続するかです。不登校の親御さんや担任の先生から、次から次へお願いがされ、だんだんと、疲れてしまうこともあるかと思います。

 また、適応指導教室に体験にくる親子の中で、入学後の中学1年の親子が何件か訪れましたが、ある共通点がありました。小学校時代は、クラスの代表、学校の代表として活躍した、リーダー的な女子でした。しっかりとした出で立ちで、あいさつもしっかりでき、確かにリーダー的な子だろうなと思いました。
 
 しかし、中学1年のある日から、登校を渋るようになったとのことです。さらに、話を伺うと、やはり共通点がありました。担任の先生からも信頼が厚く、いろいろなことを頼まれ、本人も頑張って、それに応えようとしていたということです。その中には、登校を渋りがちな子の支えになるような依頼も…。いわゆる、いろいろなことに頑張りすぎて疲れてしまったのだと考えました。


 上記の相談事例は、お母さんの心配の通り、お子さんが登校を渋り始める可能性がある思います。担任の先生に早めに相談して、今後の対応、つまり、大人は、子どもに依頼し、動かすことが「ベスト」であり、有効だと思っています。ただ、安易な対応により、子どもを疲弊させる可能性があるということです。

 やはり、大人が動いて、その中のワンポイントとして、「友だち」にお手伝いしてもらうことが大切かと思います。「大人が変われば、子どもも変わる」という視点を大切にお願いできるるとよいかと思います。むずかしいことですが、いかに子どもと向き合うかということだと私自身も考えながら、支援していきたいと思います。 



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 今回の相談内容は、小中学校でよくあるケースです。そして、連鎖してきょうだいが不登校になる一因と考えられる内容かと思います。ちょっとしたことが引き金に…。


(小学4年男児・小学1年女児の母親から)
 不登校の兄の配布物をいつも低学年の妹が預かってきていたが、先日「お兄ちゃんのお手紙もらうのはもういやだ」と言った。妹の担任は、「妹さんの方に負担をかけて申し訳なかったですね。お母さんも二人への気遣いで大変ですね。何かあったらいつでも言ってくださいね」と言ってくれて、すごく有り難かった。兄の担任に「これからは週に1回、私が取りに学校に来ます」と言ったら、「知らんふりしてランドセルに入れちゃえば分からないじゃないですか」と言われて驚いた。

 

 

 今回のように、配布物をきょうだいにお願いして届けてもらうことは、特段珍しいことではありません。不登校の子どもの担任も母親もとても助かります。しかし、毎回多くの配布物を担任から頼まれランドセルに入れる、その姿を見ているまわりの子どもたちは、何となく気づくものであり、小学生くらいの子どもたちは、ストレートに言葉をぶつけてきたりもします。数日に一度のお願いがだんだん苦痛になるのは理解できます。始めは「きょうだいが休んでいて、いいなぁ」から「苦痛になる」というパターンは避けたいものです。

 上記の相談内容においては、登校している妹の担任の先生の対応は、母親や本人への気遣いもあり、今後も相談に乗ってくれそうですね。ただ、兄の担任の先生については、なかなか相談に乗ってもらうという感じではなさそうですね。この発言が事実であれば、管理職(まず、教頭先生)に相談して良いかと思います。

 私も相談対応したときには、きょうだいの確認をしています。配布物は登校しているきょうだいに任せないこと、他のきょうだいの不登校への連鎖に配慮することなどを伝えるようにしています。

 きょうだいに任せずに配布物を母親が取りにいくことで、担任との定期的な面談に繋がります。この機会は必ずや、良い方向へと…。また、普段、登校できない子に目が奪われがちですが、他のきょうだいに声かけをしてあげてほしいと伝えています。


 以前に掲載しましたが、

 家にいる「きょうだい」のことを「学校に行かずに好きなことをしているだけ」という目で見れば、「なんで自分だけが…?」と思うのは自然のことです。不登校の「きょうだい」をしっかり理解し、登校している自分がちゃんと認められる『言葉かけ』を続けることが何より大切ですね。

《比べたりしない…》
  登校している方がえらい、登校できなければダメと思わせるような言い方は避けます。例えば、「ダメよ!あなたまで○○のようになったら困っちゃう。」「あなたは○○より、明るく友だちもいるから、平気でしょ」などはNGワードですね。

《日頃の声かけを…》
  子どもが学校に行くのは当たり前と思ってしまいます。毎日登校している子どもより、登校できない子どもに目が奪われがちです。仕方のないことですが、ぜひ、学校から帰ってきた子どもに「今日は学校でなにがあった?」などと日頃から声をかけ、「がんばったね」「たいへんだったね」「よかったね」などと、学校へ通う毎日を肯定する言葉をかけるように心がけましょう。学校に行っている「きょうだい」には、不登校の「きょうだい」がいると、いろいろな試練が待ち受けたりもします(後日、事例紹介)。変化を見逃さないようにしましょう。

《不登校への理解を…》
 ずるしているわけでも、怠けているわけでもなく、「ただいま、充電中」であること、葛藤や迷いがあることを伝えましょう。例えば、「○○だって、学校に行ければ行きたいんだよ」というようなことを。母親の思いを正直に伝え、協力を依頼することもありかと思います。


    お母さんの努力と愛情にエールを送ります!!


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