「第67回蒼春<ソウシュン>高校文化祭、ついに幕開けです!
蒼春、通称『アオハル』の生徒たちは大いに盛り上がりましょう。そして、・・・」
放送委員のアナウンスが流れ始めた。
教室で、メイド服に着替え、ファッションミラーとにらみ合う。
「わーわー! ついに文化祭だね~! メイド服見てたら急に言いたくなった」
「あは! 明日香、楽しもうね! 他のクラスの出し物も楽しみだなぁ♪
あたしたちのクラス、成功するといいね!」
「そうだね、花奈! 準備とか超がんばったし、あたしたちが最初に
仕事するから出だししっかりやんなきゃね!」
「き、緊張してきた・・・。メイドなんて・・・初めてだし、失敗したらどうしようっ」
「だーいじょーぶだって! 多分、皆始めてだと思うし! あたしたちがいるし!」
と、後ろからゆきちゃん。わざと外ハネした髪型、メイド服、なんてお美しい・・・!
「おはよー! ゆっきめっちゃ可愛い!」
「おはおは! 明日香に言われてもしっくりこない」
と、明日香と朝の挨拶。
「ジャジャーン! メイド第1号だよーっ★」
外から勢いよく教室に入ってきたのは、見た目がまるで本物のメイドの杏奈ちゃん。
ピンク色のふわふわしたみつ編みに黒縁眼鏡、そしてあごにはほ、ほくろ・・・?
こんな色気のあるほくろ、あったっけ! 杏奈ちゃん、可愛いなぁ~!!
「あれれ~! もう皆メイドさんになっちゃってたね! てかめちゃめちゃ可愛いΣ!写真におさめたい! はすはす!」
「あんちゃん!? こりゃまたすごいねー! 本場のメイドみたい!」
「まあねっ、本場に行ってちょっくら勉強してまいりましたーたはっ」
「あれ、そういえば恭平たちは? もう文化祭始まってるのに」
た、確かに・・・。今日、柊君たち、見てない。もしかして、忘れてるとか・・・!?
ガラララ
教室のドアが開いた。そして、執事の格好を身に纏った男たちが入ってきた。
「はうっ・・・。ま、眩しい・・・。水城杏奈、早くも死亡フラグでございます~・・・」
「き、恭平たち・・・!?」
うそ・・・。・・・・・・あぁ、あたし、最低だ。一瞬、文化祭なんて、ぶち壊してしまおうと思った。
「は、花奈?」
あたしは、なんて傲慢で自分勝手な人間なんだろう。
目の前に立っている柊君を、誰にも見せたくない、自分だけのものにしたい、そう思ったから。
「花奈? 花奈? 大丈夫?」
「ぅええっ!!」
「うおお、びっくりしたー。そんな大声出すなんて。柊君にめっちゃみとれてたでしょ?」
「うんっ」
「即答っ!」
安達ゆきがツッコんだ。丸高恭平たちは、こっちへ歩いてきた。
「ゆき! おはよーう! どう!? 似合ってる!? てかゆきめっちゃ可愛い!」
「おはよ~。はいはい、似合ってますよ」
「えーっ!? そっけなさすぎ~!? もっと褒められるかと思ってたのに・・・」
「ゆき、あれで本当はめっちゃ照れてるんだよっ、ぷぷっ!
誰よりも恭平の事かっこいいって思ってるんだから、全く、ツンデレちゃんね」
コソコソッと明日香があたしに耳打ちした。
「ん~~~~、あたしはもう皆様にメロメロですう~~~~~♡♡♡」
「ハハッ、杏奈ちゃんも可愛いよ! メイド服、すっごく似合ってる★」
と、小湊君。小湊君、天使でとってもキュートな笑顔、そんなに振りまいてたら
皆やられちゃうよ~;; 小湊君は気づいてないんだろうなlllorz
「村田さん」
「ひゃいっっ!!」
「ご、ごめん、急に話しかけてびっくりしたよね。おはよう」
「う、ううん、そんなことないよ! おはよう!」
目の前には、執事の格好を見事に着こなした、いつもよりキラキラしている柊君。自慢の彼氏です。
「・・・し、柊君、とっても、かっこいいです・・・今日・・・あっ、ていうか、いつもかっこ・・・いえ! えっと」
「あ、ありがとう。村田さんも、すごくかわいい。・・・ナンパされないか不安」
「ナ、ナンパ!? 絶対ないから>< あたしの方こそ、柊君がいつも以上にモテたらどうしようか不安!」
「いつも・・・? 俺は、村田さんしか見てないから」
はぅう! 柊君は、素で言ってるからもうドキドキして仕方ないよ~。
「皆! お客様だよ!」
と、明日香。その声で皆一斉に行動し始めた。
「頑張ろうね」
その柊君の言葉で、今日と明日の文化祭、すごく楽しめる気がしてきた。
「うん!」
≪14th≫おわり
